サツマイモで貧困から脱却した張村郷

 

河南省輝県市の裴寨コミュニティー広場には中華鍋がいくつかかけられている。れんが製のかまどには薪が真っ赤に燃え、その上には茹でられて熱々のサツマイモのでんぷんが鍋から上げられるのを待っている。そして鍋の横では腕まくりをした数人の男性がそのでんぷんを丸めて団子を作っている。これは去年12月16日の張村郷のサツマイモ春雨文化祭の風景である。

サツマイモで貧困脱却

張村郷の土壌はサツマイモの成長に適しており、でんぷん含有量がとても高い。ここに暮らしている村民たちは昔からサツマイモ春雨を手作りしている。しかしみな規模が小さな作業場であり、販売ルートが限られているため、生産規模が大きくなることはなく、貧困からの脱却はなおさら期待できなかった。

どこの家でも栽培しているサツマイモからいかにして実際の利益を生むのか?これは張村郷の党委員会委員たちが長年考え、達成に向けて努力していることだった。そしてあるとき、大王荘村の王孝義が彼らの目に留まった。

王孝義は長年の奮闘によって40歳に満たないの若さで建材、砂や石の工場など9つの企業を経営する成功者だ。王孝義は郷の党委員会の要請を喜んで引き受け、サツマイモによる貧困脱却プロジェクトの指揮を執った。彼は専門的な栽培協同組合を創設し、「協同組合+農家」の経営モデルを採用して、貧困家庭を組み込んだ。彼は農民たちの不安を打ち消すために、農民たちに利益を計算して見せた。1ムー(約667平方メートル)の畑はサツマイモ2500キロを産出できる。サツマイモから500キロのでんぷんを加工でき、でんぷんから450キロの春雨を作ることができる。従って、1キロの春雨が20元で売れるなら、1ムーの畑は9000元儲けることができる。

王孝義の努力によって得た販売ルートによって、これまで畑に捨てていたサツマイモの茎も貴重な資源となり、加工して韓国に輸出した。1ムーの畑から1500キロの茎が産出でき、1キロの茎を1.4元で販売すれば、2100元を儲ける。春雨の収入も加えて、農民たちは1ムーの畑から11000元を稼ぐことができる。

2015年、協同組合は農民たちが売れきれない2万5000キロのサツマイモ春雨を買い上げ、タオバオネットショップなどのルートを使って高値で販売し、農民たちから支持を得た。

「現在、309の貧困家庭がすでに協同組合と栽培協議を結んでいます。2016年、わが村のサツマイモの栽培規模は1万ムーに達する見込みです。この勢いで発展し続けると、サツマイモを栽培する農民が貧困から脱却することができます」と王孝義は語った。

サツマイモ春雨文化祭の開催は張村郷サツマイモ春雨のブランドをつくり、地方の特産品を大きな市場へ販売するためだ。王孝義によると、文化祭を行った当日だけで販売代理店と2万5000キロ以上の注文書を交わしたといい、その効果は明らかだ。

多種多様な経営を展開

村全体がサツマイモによって発展した大規模生産がもたらしたメリットは明らかだ。しかし、「すべての卵を一つのラケットに入れる」ことはリスクがあるだろう。

「私たちもそのリスクを考えたことがあります。サツマイモの栽培は市場の動向によって定め、画一的に対処せず、民衆たちが主体性を発揮することを守ります。また、農民たちは自分の判断で協同組合に参加することができます。毎年栽培するサツマイモの面積も注文書の数によって調整し、品質や伝統的な腕前で市場を勝ち取り、『生産過多による収入減』を防ぎます」と張村郷の趙愛明郷長は語った。

王孝義のように故郷に帰り農民たちを裕福にさせる党員リーダーが張村郷には6人いる。郷の党委員会は幹部たちが率先して養殖、栽培、観光などにチャレンジするよう呼びかけ、張村郷の自然資源によって自分なりの道を切り開いた。民衆たちはその成果を見ることによって、不安を打ち消し、効率的な農業に挑戦する意思を持った。

サツマイモを活かした市場を発展させるほか、張村郷は道路、水利施設の整備や太陽光発電貧困救済プロジェクトへの調印、地元観光業の開発などによって、多方面から農民たちを援助し、彼らを貧困から脱却させ裕福にしている。(焦源源)

 

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