「天府文化」が魅力的な成都をつくり上げる

 

 成都の地下鉄3号線のパンダ車両

多くの人の四川省の省都成都に対するイメージはパンダにとどまっているかもしれない。しかし、実際としてパンダののんびりとした歩調とは逆に、この都市は今まさに急速に発展し、その文化的核心である天府文化を世界に広めることに尽力している。

成都は中国でも長い歴史を持つ都市の一つで、ここで4500年前に生まれた古蜀文明は、華夏文明・良渚文明と共に中国の三大古文明と並び称される。

成都の市街地の北西部にある金沙遺跡は、成都の都市文明の端緒となったばかりか、古蜀文明の最も代表的な場所であり、成都平原を中心とした古蜀文明の神秘的な面影を解き明かすものとなっている。

燦爛たる古蜀文明が、成都という歴史上「天府の国」と呼ばれた歴史文化名都市を育んだものだといえよう。

それだけでなく、成都はさらに三国文化と切っても切れない都市であり、1800年前、劉備がここを都として皇帝を名乗った。今ではこの都市に三国時代の遺跡が50カ所もあり、市の中心にはさらに中国唯一の君臣合祀廟である武侯祠がある。成都の武侯祠は中国で最も有名な諸葛亮と劉備、そして蜀漢の英雄たちを記念する場所であるだけでなく、世界的に影響力の大きい三国遺跡博物館でもある。

中国政府が選定した第一回歴史文化名都市として、成都は5つの世界遺産を持ち、アジアで最古の都市遺跡を保存しており、古蜀文化・三国文化を受け継ぎ、常にパンダ文化を高揚させ、広めている。

成都の東の郊外にあるパンダ繁殖育成研究基地は、市の中心から10キロのところにあり、すでに30年もの歴史を持ち、現在176頭のパンダがいて、世界で最大の人工繁殖のパンダ群を抱える。パンダ繁殖育成研究基地の緑化率は96%に及び、パンダやさまざまな希少野性動物が生息・繁殖するにふさわしい生態環境をつくりあげており、国内外の観光客に「パンダの都会のふるさと」といわれている。

ショッピングストリート、地下鉄、レストラン、展示会場……。この都市にはパンダのキャラクターが至るところに見られる。近年、成都のパンダを都市のイメージキャラクターとしたアピール活動が効果をあげており、パンダはこの都市でもっとも印象的なキャラとなり、パンダ文化もまた、天府文化の中で最も若い、かつ最も特色のある内容となっている。

今年4月、世界で初めての「パンダテーマ図書館」が成都熊猫路小学校に正式に建設され、2018年に全面的に完成し、世界に開放される予定である。

「パンダは天府文化を最も良く体現する一つの代表であり、代々の子どもたちに天府文化に関する根源と記憶を受け継いでいってもらいたいと思っています」と、成都熊猫路小学校の張明蓉校長は語る。

成都において、輝かしい歴史文化と現代文明はいつも互いに照り映えている。この2300年余りの歴史をもつ歴史文化名都市は、長期的な都市建設・発展の中で、「革新的創造、優雅でファッショナブル、楽観的・包容的、友好・公益」を特徴とする天府文化を育み、蓄積しているのである。

 

 

 

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