「中国の奇跡」の背後にある論理的必然性

1980年代末、米国の学者フランシス・フクヤマが「歴史の終焉論」を提起した時、このような情景は予想していなかったに違いない。

根強い「成長減速論」を背景に、誰も歩いたことのない道を踏み出し、どの国も実現したことのない飛躍的発展を遂げる――、それこそが「中国の奇跡」だ。

中国共産党第十八回全国代表大会(「十八大」)以来、中国の発展は新たな歴史の出発点に立ち、中国の特色ある社会主義は新しい発展の段階に入った。社会主義は中国で力強い生命力を輝かせ、発展の新たなページを次々と開く。

歴史は終結せず、終結させられることはない。終結するのは当初の予言だ。

フクヤマは中国の発展に直面して「中国の政治体制の長所は明らかだ。人類の思想の宝庫は中国のために場所を空けておくべきだ」と指摘した。

21世紀初頭にアメリカ人弁護士のゴードン・チャンが「やがて中国の崩壊がはじまる」を出版し反響を呼んだ時、今日のような状況を予想し得なかったに違いない――。

中国経済は数十年に渡って高速成長を維持してきた。中国は世界第2の経済大国となり、世界の工業化が始まって以来の長期的成長の奇跡を創り出した。なかでも、世界金融危機のあおりで世界全体の成長が鈍化するなか、中国は2013~16年の国内総生産(GDP)について年平均7.2%の成長率を維持した。世界の経済成長への寄与率は年平均30%以上にのぼり、米国、ユーロ圏、日本の寄与率の総和を上回り、世界一となった。

「中国が経済超大国に躍り出たのは歴史上最も驚くべき出来事の1つだ」と、米国のポールソン元財務長官は語る。

「十八大」以来、中国共産党は中国経済を「どう見るか」という問題を解決したうえで、新発展理念に基づく指導、供給側の構造改革を軸とした政策の枠組みを形成し、経済発展のために「何をすべきか」という問題を解決した。そして、「安定の中で前進を求める」方針を総基調とし、経済活動の円滑な運営をめぐり「どのようにすべきか」という問題を解決した。

「経済のハードランディング」「金融危機の勃発」「改革の停滞」――、これらは中国のために「仕立て上げられた」予言だが、どの予言も的中しなかった。

10月4日、世界銀行はリポートで、中国経済の成長見通しを再度引き上げた。同時に、経済政策の不確定性と地縁政治の緊張局面を理由に、先進国の成長の先行きに不透明感が増すと指摘した。

ロシア戦略研究所シニアフェローのナタリア・ガリーポヴァ氏は「中国が信頼される理由の1つは、明瞭で安定した経済政策だ。経済成長ペースの鈍化と質的向上により、中国は世界の成長エンジンとしての重要な役割をより良く果たすことができるだろう」と評価した。

2020年までにイノベーション型国家の1つとなり、2030年までにイノベーション型国家の先頭グループ入りを目指す。2050年には世界の科学技術イノベーション強国を作り上げる――。「十八大」以来、中国はイノベーションを国家発展計画の柱に据え、目標と計画が明確なロードマップを描き出した。

オックスフォード大学中国研究センターのMitter主任は、「今日の中国のリーダーは伝統と現代を融合させ、国家の近代化を推し進めようとしている」との見方を示した。

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月13日

 

 

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