ぬるい(微温)

2019-06-17 16:38:27

/福井ゆり子 翻訳/編集=銭海澎

日本人はお風呂が大好きで、真夏の暑い時には、汗や汚れが付いた体を洗い流すために、冬の寒い時には、冷え切った体を温めるために、とにもかくにもお風呂に入った。江戸っ子特に熱めのお湯が好きで、一説にはそのお湯の温度は489度だったとされる(ちなみに現在は家庭のお風呂の平均温度が4042度くらい)。これは熱いのを何でもないかのように入るのが「粋」と思われていたからで、いわゆる「やせ我慢注1」をカッコいいものとする美意識のなせる業である。お風呂に限らず、江戸っ子はお茶とか味噌汁とか、火傷しそうなほど熱いものを好んだらしい。

日本人特别喜欢泡澡,在盛夏酷暑之时,泡澡可以洗去身上的汗水和污垢,在冬季严寒之时,泡澡能够温暖冻僵的身体。江户人尤其喜欢偏热的泡澡水,有说法称江户人使用的泡澡水温度高达489度(补充说明一下,如今家庭用泡澡水的平均温度是40~42度左右)。江户人认为若无其事地泡高温热水澡很“火辣”,所以,这种行为可以说是把“硬着头皮逞能”当作是“帅气之举”的审美产物。除了泡澡水,江户人好像也很喜欢喝热得能烫伤嘴的茶或酱汤。

 

「十分に熱くない、または冷たくない」ことを意味するのが「ぬるい」という言葉。「ぬるい」には、想定していた温度に達していないという意味があり、日本人が「風呂がぬるい」「お茶がぬるい」と言った場合、熱くあるべきものが熱くないことを不満に思う気持ちが含まれている。それは冷たい物でも同様で、「ビールがぬるい」は、温度についての感想を述べているだけでなく、ビールがしっかり冷えていないことに対する不満の表明でもある。

“微温”这个词表示“不特别热或者不特别冷、温吞”,有一种没有达到预期温度的意思,日本人说“洗澡水微温”或是“茶水微温”时,暗含着一种对于本该很热的东西却不够热的不满情绪。形容冷饮也是一样,如果说“啤酒是温的”,不仅仅是表达自己对温度的感觉,还有对啤酒没有被充分冰镇好的不满。

 

こうした「ぬるい」という言葉は、裏を返せば、熱いか冷たいかの両極端が良いという価値観を示すものでもある。日本人にとって、何事にも徹底することはとても大切なことであり、「ぬるい」は徹底しておらず、中途半端であり、あまり望ましいことではなかった。そのために、「手ぬるい注2」とか「なまぬるい」「ぬるま湯につかる注3」などという言い方が生まれることになる。こうした「半端嫌い」の性向は、いい加減、はっきりしない、あいまい、どっちつかずなど、あまりいい意味を持たない言葉群からも分かる。

如果反过来理解,该词亦可表示日本人的价值观,即热或冷这两个极端要比“微温”更好。对日本人而言,无论做什么,最重要的就是要彻底,而“微温”不彻底,半途而废,不够完美。因此,衍生出“手法微温(不严格、慢腾腾)”“略感微温(敷衍了事、不疼不痒)”“泡在微温的水中(安于现状)”等说法。日本人骨子里这种“厌恶不彻底”的个性,还可以从“胡乱搪塞”“含糊”“暧昧”“模棱两可”等这一类贬义词中去体会。

注释

注1:苦しいのを我慢して平気な顔をしてみせること

忍受痛苦,却显示出淡定的样子。

注2:例えば「彼のあのやり方では手ぬるい」などのように使う。「なまぬるい」も同様の意味

比如,可以说“他的做法不够彻底”等,“なまぬるい”也有同样的意思。

 

注3:刺激や快感はないものの、いつまでもそこから抜け出したくないような安楽な状態に甘んじていることの比喩としてよく使われる。「親と同居というぬるま湯につかった状況から抜け出す決心をした」という文であれば、親にお金でも家事でも頼っている楽な状況をやめて、自立した生活を送ることにしたという意味になる。

经常比喻虽然毫无刺激或快感可言,但甘愿永远沉浸在舒适的状态中无须自拔。如果说“下定决心摆脱和父母同住的舒适生活”,就是说不再享受“衣来伸手,饭来张口”凡事靠父母的安逸状态,决定独立生活。

例文補充

やせ我慢

1.やせ我慢を張る/打肿脸充胖子。

2.あの男はやせ我慢が強い/他从不气馁(服输)。

3.あの若者は寒いのにやせ我慢をして薄着でいる/虽然天气很冷,那个年轻人却硬着头皮穿着单薄的衣服。

手ぬるい

1.そんな手ぬるいしかり方ではこたえない/那样温和的训斥没有效果。

2.生徒の扱い方が手ぬるい/对学生的要求不够严格。

3.何をやらしても手ぬるいので見ていて歯がゆくなる/无论叫做什么都慢慢腾腾,真让人着急。

なまぬるい

1.なまるい性格/敷衍了事的性格。

2.なまるい処置/马马虎虎的处置。

 

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