雨水

2021-02-18 09:43:48

二十四節気は中国の世界無形文化遺産で、東アジア諸国と共有されている。日本の大家による節気に関する俳句の中国語訳コーナーは、開始から数年、読者の皆さんの好評を得てきた。今年からは、中国の文人による節気を賛美した詩歌も追加し、東方諸国の詩歌の「和して同ぜず」の美感を体感できるようにした。さらに、中国の著名な篆刻家・書道家の駱芃芃さんを迎え、手書きの俳句と漢詩に加え、彼女の節気に関する篆刻作品も掲載することとした。「俳、詩、書、印」の調和の美を共に鑑賞しよう。

王丹丹=イラスト

 

{じんちょう}沈丁の{ほしいまま}恣なる{す}透かし{かき}垣

(石塚友二)

瑞香向春放

花枝招展散幽芳

恣肆出篱墙

王衆一

瑞香恣意横斜出

透过篱垣花盛开

(王岩訳)

 

{うすい}雨水てふ{よ}佳き{ひ}日ありけり{はは}母{びしょう}微笑

(上野さち子)

佳日如约到

名曰雨水静悄悄

想念慈母笑

王衆一

雨水之名佳日有

慈颜微笑忆心头

(王岩 訳)

簡体字(中国)・常用漢字(日本) 対応表

―憶―頭-

 

 

漢詩

《春雨》

(唐)李商隐

怅卧新春白袷衣

白门寥落意多违

红楼隔雨相望冷

珠箔飘灯独自归

远路应悲春晼晚

残宵犹得梦依稀

玉珰缄札何由达

万里云罗一雁飞

 

{しゅんう}春雨

 {りしょういん}李商隠 (唐)

{しんしゅん}新春に{ちょうが}悵臥す {はくこうい}白袷衣

{はくもん}白門{りょうらく}落として{}意{おお}多く{たが}違う

{こうろう}紅楼{あめ}雨を{へだ}隔てて{}相い{のぞ}望めば{ひや}冷やかなり

{しゅはく}珠箔{とう}灯に{ひるがえ}飄って{ひと}独自り{かえ}帰る

{えんろ}遠路{まさ}応に{かな}悲しむべし 

{はる}春の{えんばん}晼晩たるを

{ざんしょう}残宵{}猶お{}得たり{ゆめ}夢の{いき}依稀たるを 

{ぎょくとう}玉璫{かんさつ}{なん}何に{}由りて{たつ}達せん

{ばんり}万里の{うんら}雲羅{いちがん}一雁{}飛ぶ

 



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