『中国新聞週刊』 観光地の「質」を守る戦い

2019-12-18 16:14:11

 

 中国の5A級観光地のうち、7カ所が基準を満たさないとして文化・観光部が通達を出し、改善を求めた。その中の一つ、山西省祁県喬家堡村にある「喬家大院」は、張芸謀監督の映画『紅夢(原題:大紅燈籠高高掛)』やドラマ『喬家大院』で有名となった清代の有名な商人・喬致庸の大邸宅だ。しかし、過度な商業化およびサービスの質の低下などといった理由から一番厳しい処罰を課せられ、「5A級観光地」の看板を剥奪された。中国では1999年から、観光地をランク付けする取り組みが行われており、5A級が最高ランクだ。いったんランク付けされると、その観光地の影響力やチケットの売り上げは大幅に増加し、各地により多くの発展の機会をもたらす。経済効果を優先すべきという考えの下で、多くの観光地が「5A級」を「客寄せパンダ」とし、金儲けのことだけに気を取られ、旅行体験やサービスの質を軽視し、旅行客からは非難の声が上がっている。ここ数年、中国の旅行を取り扱う部門では基準に満たない不合格の観光地を立て続けに処罰し、観光地のランク付けの基準管理を厳しくするだけでなく、各観光地自身が管理レベルとサービスの質を向上するよう促している。この7カ所の5A級観光地に対する一連の処罰は、他の多くの観光地が自ら改善しようとする姿勢につながった。

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