『中国新聞週刊』 人工湖建設の衝動

2020-07-14 17:03:08

 

 陝西省渭南市は経済発展レベルが高くない、雨が少ない農業都市だ。同市は2016年から、「秦東水郷」という大計画を進め、人工湖の建設を通じて、北西部における江南の水郷を造ろうとしてきた。

 しかし、建設の過程において、一部のプロジェクトは湿地を破壊し、地下水を大量にくみ上げ、耕地の不法占用で多くの農民が土地を失うなどの問題を引き起こした。今年1月、中国自然資源部(日本の省に相当)はこの建設プロジェクトを批判し、問題の是正を命じた。人工湖建設に熱中するのは渭南市だけではない。この数年、地価の上昇をけん引し、不動産業の発展を促進するために、北部の乾燥地域の都市が次々と水郷建設計画を打ち出した。これについて、専門家は次のように示している。これは急激に進む都市化の過程に現れた難病で、公共プロジェクトの実施過程における情報公開と大衆参加の不足、環境影響評価の不徹底、責任者が自らの好みで盲目的に決断するなどの問題を反映している。プロジェクトの情報が十分に公開され、社会各界で広範に議論されて初めて、誤りを正すことができる。

2020年6月8日

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