『VISTA看天下』 2021年の魯迅

2021-11-30 10:22:19


今年の9月25日は魯迅の生誕140周年に当たる。中国には今も魯迅のような深遠な思想と人気を兼ね備えた作家はいない。中国人の誰もが義務教育で魯迅の文章を学び、魯迅は「偉大な文学者・思想家・革命家」というイメージと密接に結び付いている。しかし近年、魯迅は聖域から離れ、これまでにない新たなイメージで世に現れている。中国の若者が愛用する動画共有サイト「bilibili(ビリビリ)」が4月に発表したデータによると、同サイトでの「魯迅」関連動画の再生回数は累計1億7000万回に達し、作家部門のトップにいる。魯迅の散文詩集『野草』がラップ曲になったり、魯迅の首から下が米国のスーパーヒーロー「ハルク」の体になったり、魯迅が言ったこと、または言わなかったことまで画像と一緒にスタンプになってコメント欄で活躍したりしている。魯迅のイメージは若者たちに解体され、さらには覆されている。一部ではこれが魯迅への不十分で誤った理解で、許容される限度を逸脱しており、魯迅を利用した人気取りや金稼ぎだと糾弾の声が上がっている。一方、これは魯迅が時代遅れではない証明だと前向きに捉える人もいる。100年以上たった今でも、魯迅は中国の若者に愛されている。それは、魯迅が死ぬまで、言うことを聞かない若者のように休むことなく前進し、反抗していたからだろう。2021年9月28日

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