粤劇

2017-12-08 16:17:24

 

香花山大賀寿                    六国大封相                         玉皇登殿

粤劇は中国南方の戯曲の一つで、またの名を広東大戯(広東オペラ)という。明代末から清代初めに広東省および広西チワン(壮)族自治区で生まれ、唱(歌)、念(せりふ)、做(仕草)、打(立ち回り)、楽師の演奏、舞台衣装、抽象的なイメージなどを融合させた舞台芸術だ。現在、広東、広西、台湾地区や香港澳門(マカオ)に伝わっており、世界各地にある広東華僑のチャイナタウンでは粤劇が上演される。2006年に中国第1弾国家級無形文化遺産リストに登録され、09年には国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産代表一覧表に登録された。

  今年1015日、中国郵政は1セット3枚の切手「粤劇」を発売した。その図柄は、天上の仙人たちが観音の誕生祝いをする物語を描いた神話劇「香花山大賀寿」、戦国時代に秦に対抗する合従策を6国で遊説し、諸侯から相の職を受け褒美をもらい故郷に錦を飾った蘇秦の物語を描いた歴史劇「六国大封相」、玉皇大帝から人間界の視察の命を受けた桃花仙女が天界に戻って人間たちの善悪を報告し、それを聞いた玉皇大帝が神々にこの世を苦しみから救うように命じる物語を描いた神話劇「玉皇登殿」の3点だ。切手には中国画の「重彩」(重ね塗り)の技法が使われ、衣装の線には伝統的な「高古遊糸描」(クモの糸のような細い線)と「釘頭鼠尾猫」(先端が太く後ろが細い線)の技法が使われていて細部まで美しい。色彩面では粤劇の舞台衣装が持つ基本的な色合いに重点を置きながら、中国画の重ね塗り要素を加え、全体的に伝統的な色合いを強調している。それとともに3枚は粤劇特有の温かみがあり、考えられた色使いで統一されている。
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