心つなぎウインウイン発展へ

2020-02-21 12:22:20

段非平=文

国際経済会議の「博鰲(ボアオ)・アジア・フォーラム」の年次総会が3月2629日、海南省瓊海市のボアオで開かれた。世界60余りの国・地域から、2000人を超える政治経済界や学界の代表らが一堂に会し、「共同の運命、共同の行動、共同の発展」をテーマに、将来の協力や発展の方法について話し合った。

 

中国経済は積極的な変化

 国際的な貿易投資が低迷し、世界経済の原動力が減少し、市場への信頼が揺らぐ、という国際情勢の複雑な変化を背景に、中国経済の発展はいっそう注目を集めている。

 「今年になって、中国経済は安定した運営と共に積極的な変化が出ている。市場の期待も明らかに改善している」。フォーラム開幕式での李克強総理のこの話は、参加者を安心させただけでなく、信頼を後押しした。

 中国経済に現れている前向きな変化に、ボアオ・アジア・フォーラム諮問委員会主席を務める福田康夫元首相は、以下のように指摘する。これは中国が行った一連の最適化政策のたまものだ。中国経済は今、中国スピードから中国クオリティーへと転換中だ。こうした変化により、中国はますます国際社会から高い評価を受けるだろう。

 李克強総理は、成果を語ると同時に、課題について避けて通ることもなかった。講演では以下のように率直に語った――今年の中国経済が直面する不安定・不確定要素は明らかに増え、外的なリスクが高まっている。しかし、中国は必ずさらに有効な手立てを講じると共に、「洪水のような大量投入」方式の強い刺激策は取らないし、以前のような粗放的に成長だけを求める古い道も歩まない。また、短期的な成長のために長期的な発展を犠牲にするようなやり方もしない。

 経済成長の減速に対応し、安定的で健全な発展を維持する過程で見せた中国の戦略的な不動心と十分な準備に、ボアオ・アジア・フォーラム理事でフィリピン下院議長のアロヨ氏は強い印象を受けた。同氏は、中国経済の成長の見通しは依然として力強く、「新たな時代に入った中国は、世界への影響力がますます強まる」と考えている。

 「今の中国経済は、マラソンで言えば半分を走り終えたところだ」と語るのは、フォーラムのゲストで清華大学の李稲葵教授だ。「残り半分には、逆風や上り坂という不利な条件が待っているかもしれない。その時には『栄養補給』することが大切だ。中国の経済発展は、自らが成長するために内部の原動力の問題を解決しなければならない」と続けた。さらに李教授は次のように述べる。中国はグローバル経済のエンジンであるだけでなく、「安定装置」でもある。中国はさらに積極的に経済のグローバル化に溶け込み、世界はこのチャイナ・チャンスを逃してはいけない。

 

ボアオ・アジア・フォーラム2019年年次総会の開幕式の328日、「手を携え試練に立ち向かい、共同発展を実現する」をテーマに基調講演を行う李克強国務院総理(新華社)

 

開放とグローバルガバナンス

 「中国の開放の扉は決して閉ざすことなく、ますます大きく開かれるばかりだ」。昨年のボアオ・アジア・フォーラム年次総会開幕式での、習近平主席によるこの約束は、まだ耳に新しい。この1年、中国は一連の大きな開放措置を打ち出し、実際の行動によってこの約束を履行してきた。

 今回のフォーラムで李克強総理は、中国がさらに開放を拡大するという積極的なシグナルを再び送った。李総理は講演で以下のように強調する。対外開放は中国の基本的な国策だ。「外商投資法」は、中国が法治化・国際化・円滑化したビジネス環境を構築するための重要な措置である。中国はさらに外資の市場参入を緩和し、金融業や現代的なサービスなどの分野で引き続き開放を拡大する。中国は、資本の内外を問わず企業を公平に扱い、知的財産権の保護を大きく強化し、外国投資企業の合法的な権益を確実に守る。また貿易の利便性を速やかにレベルアップさせ、通関コストをはっきりと軽減し、通関の効率を高める。

 中国が対外開放を全面的に加速させることに対して、各方面の参加者から賞賛の声が上がった。また、世界各国がグローバル化の問題で二分化される現在、中国が改革開放をいっそう深化させると確固たる姿勢を示したのは大きな力付けになったと、参加者たちは次々に表明した。フランスのオランド前大統領は、中国が長期的な観点に立ち、常に経済発展の意志を変えず、世界に向けた開放戦略を選択したことは中国の成功体験であると述べた。また、アップル社のティム・クックCEOは次のように述べた。いま世界は未曽有の試練に直面している。中国が門戸を開いて、われわれを受け入れてくれたことに感謝する。中国は開放によって自らの潜在的な力を発揮するだけでなく、全世界の繁栄も後押しすることができる。

 現在、世界はすでに「彼我は一心同体」という地球村の状態にある。各国の相互依存がますます緊密化し、利益の共生は絶えず深まっている。世界はまさに新たなグローバルガバナンス理念の誕生を求めている。

 中国はこの数年来、世界の大勢に順応し、共に話し合い、共に建設し、共に分かち合うというグローバルガバナンスを提起し、多くの賛同を得た。李克強総理はフォーラムで、それぞれがグローバルガバナンスの改革を積極的に推し進め、共に話し合い、共に建設し、共に分かち合うことを堅持し、グローバルガバナンスの体制をより公正で合理的な方向に発展するよう推し進めることを提起した。しかし、これは同じものを別に作るというのではなく、また少数の国の利益のためでもなく、最大公約数を求めるべきである。グローバル貿易ガバナンスについて、中国は自由貿易を提唱し、また公平な貿易を主張している。李克強総理がグローバルガバナンスについて提起した「中国のプラン」は、グローバルガバナンスの難題の解決に役立つ中国の知恵であり、新たな国際関係の構築に積極的で奥深い影響を与えるだろう。

 共同の運命は共同の行動を呼び掛け、共同の行動は共同の発展を促す。今回のフォーラムが発したアジアの声は、「東洋のダボス」から全世界に伝わっていくことだろう。

 

ボアオ・アジア・フォーラム(3月2629日)では、開放型の世界経済、グローバルガバナンス、イノベーションによる主導、質の高い発展などのテーマを巡り、ゲストが豊富な経験に基づいた知見や見解を発表した(新華社)

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