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膝の痛みに効く三つのツボ

 

数千年にわたり、中国の伝統医学に「360ものツボはあるが、主なツボは10にほかならない」という歌が伝わっている。その意味は人体には360余もの「穴位」、つまりはツボがあるものの、主な10のツボを把握しておけば、人体の免疫力を高め、病気に対する抵抗力を強めることができるというものだ。その歌の中に、膝関節炎および周囲の軟部組織(筋肉やじん帯など)、膝の痛みなどの疾患治療に効く、「環跳」と「陽陵泉」という二つのツボが登場する。

「陽陵泉」ツボ

「中渚」ツボ

「環跳」ツボは臀部の両側にある凹んだところにあり、そのマッサージ方法は、

1.下着だけになり、両手で拳を握り、手のひらを内側にして、両方の拳で同時に両方の環跳を50回たたく。

2.両手で両膝を抱きかかえてから、真っ直ぐに伸ばす。これを50回繰り返す。

「陽陵泉」ツボには、筋や脈を伸ばし、胆熱を鎮め、脚の関節の冷えを防止し、「湿邪」(体に害となる湿気)による経絡の滞りを解消する効果がある。主に膝関節の痛み、坐骨神経痛、半身不随、胸部の痛み、胆嚢炎を治す。また、すべての外傷を治すことができるともいわれ、さらに陽陵泉は筋の集まるツボであるため、あらゆる筋の問題に、陽陵泉のマッサージが効く。

「陽陵泉」ツボは、膝の窪みから指三つ分下の、すねの中央に突起している骨の下の凹んだ部分にあり、そのマッサージ方法は、

1.両手の親指で両脚の陽陵泉を押すと同時に、他の4本の指でふくらはぎを持ち、親指に力を入れて50回揉む。

2.両手でそれぞれの膝の外側を押す。同時に力を入れて50回叩く。以上の動作を毎日少なくとも2回行う。

そのほかにも、慢性的な膝の痛みには「中渚」ツボが効く。このツボは、手のひらを下にし、小指と薬指の間の付け根から指二本分(中指、人差し指)下の、手の甲の凹んだ部分にある。ここを毎回50回押す。何度も「中渚」ツボを押すと、「下病上治」(身体の下部の病気は上部から治す)の効果が現れる。

以上のツボには副作用がないため、誰でも気軽に試みられる。


 北京軍区総病院の主任理療医師で、20数年にわたって高齢者医療保健活動に従事している。中国国学院大学客員教授、専門家委員、康寿養生専門家。

 1986年から人体の経絡(人体の気血・ツボの筋道)についての研究を始め、経絡による手診、面診、舌診、脈診、眼診、耳診などの漢方診断法、ツボ押し、民間食事療法の真髄を一体にし、短時間で人体の経絡を開き養生・治療効果を出す「張氏経絡管道快速開通法」を確立した。

 

人民中国インターネット版 2014年12月

 

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