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「多極間協力時代」の到来を迎えて
 

「多極時代」を加速させるには

北東アジアの平和と安定、経済発展を守るため、2008年7月10日、六者会合の団長会議が北京で挙行され、重要な進展を見た(東方IC)



前世紀後半から始まった

米ソが長期対峙するのを主な特徴とする時代の陰で、世界には多極化に発展する趨勢がすでに明らかとなっていた。西側陣営の中で欧州は、米国の強大な軍事力の助けを借りてソ連の拡張に対抗する一方、フランスとドイツを中心とした欧州連合(EU)の一体化のプロセスが急速に進展した。経済面では最大限の融合を実現し、政治・外交面では主張を一つにすること、これは欧州人がずっと追求してきた目標である。

欧州一体化のプロセスは、20世紀に驚くべき進展を遂げたことは誰も認めざるを得ない。経済の復興、科学の進歩、通貨の統一など、その進展の速さに世界は刮目した。

アジアにおいては、日本が米国の「核の傘」の下で、自強のために奮闘し、きわめてはやく世界の経済大国の地位を回復した。経済強国となった後の日本は、従来から捨てたことのない政治大国になる夢の実現のために努力し続けている。国連安保理の常任理事国の大国になる夢を叶えることは、日本が一貫して求めてきた政治目標である。

旧ソ連の軍事的重圧の下で、安全の必要から欧州や日本は「戦争はしていないが平和でもない」という大きな構図の中で、米国の側に立たざるを得なかった。しかし、自らの経済利益が世界的範囲に拡大するにつれ、米国の利益とぶつかることは避けられない。このような衝突はこの数十年間、絶えることはなかった。ただ欧州と米国の間の経済分野での矛盾や摩擦は、米ソの軍事的対立の緊迫した雰囲気によって覆い隠されていただけだった。ソ連の崩壊後、欧州と日本の自立傾向は明らかに強まり、世界の多極化の足取りは明らかに速くなった。これは誰もが認める事実である。

第四のエンジン新興大国

第二次世界大戦が終わってから、各国人民の共同の努力によって、世界は六十数年の相対的な平和の時期を維持することができた。力を集中し、発展をはかるために奮闘することは、すでに大多数の国々の共通の目標となった。世界的な平和が保たれているという国際的な「大環境」の下、先進国の資本と科学技術は、最大利益を求めて国境という束縛を突破し、グローバルな流動化を実現した。先進国の資本と技術は発展途上の大国の労働力と資源と結びつき、新たな巨大な生産力を形成した。

特筆に値するのは、「ブリックス(BRICs)」と呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国と、メキシコや南アなど発展途上の大国が飛躍的な経済発展を遂げ、全世界の注目を集めたことである。国際通貨基金(IMF)の統計によると、2007年、新興経済集団が世界の国内総生産(GDP)全体に占める比重はすでに27.5%にまで上昇し、米国の占める比重に近づいている。と同時に、新興経済集団の世界経済への貢献は日増しに増加し、IMFのデータによると過去五年の間に、新興経済集団の世界経済への貢献率は50%に達した(そのうち中国は16%を占める)。かつて世界経済は主に米国、欧州、日本の三基のエンジンによって動かされてきたが、今はそれに発展途上の大国というエンジンが加わった。21世紀に入ってからは、世界経済の発展を牽引する原動力は、減少せずに逆に増加した。

経済的実力の変化は政治構造の変化の前触れであることを、歴史は我々に教えている。四基のエンジンあるいはもっと多くのエンジンがともに動かす21世紀の世界の経済構造は、必然的にそれに相応する、より合理的な国際政治の枠組の誕生を求める。「多極間協力」はこうした新しい枠組みの中核的な中身であり、唯一の選択でもある。

 

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