ホーム >

基本情報

自然地理

 河南省は地理的に、東は安徽省と山東省、北は河北省と山西省、西は陝西省、南は湖北省に隣接している。省の総面積は16万7000平方キロで中国の陸地面積の1.73%を占める。地勢は西が高く東が低くなっている。省内の北、西、南には太行山、伏牛山、桐柏山、大別山が半円のように囲う形で分布しており、平野と盆地が55.7%、山地と丘陵が44.3%を占めている。河南省の最高峰は霊宝市にある老鴉岔で標高は2413.8メートル。最も低いのは准河の固始県内部分で、標高は23.2メートルとなっている。

環境と資源

 河南省内の大部分は温帯だが南部は亜熱帯にまたがり、北亜熱帯から暖温帯にかけての大陸性モンスーン気候に属する。同時に、東から西へ向かって平野から丘陵、山地的な気候へと変化する特徴を持つ。このため四季がはっきりし、気候が複雑・多様で、気象災害が頻発しやすい側面もある。年間平均気温は15.8~12.3℃、年間降水量は1294.1~516.6ミリとなっている。降水量は6~8月が最も多い。無霜期間は197~246日で、日照時間は1733.4~2368.2時間と多く、多様な農作物の栽培に適している。

 省全体の耕地面積は1億1889万6000ムー(1ムーは約667平方メートル)で、一人当たりの耕地面積は1.1ムーとなっている。河南省は長江、淮河、黄河、海河の四大河川流域にまたがっており、省内を流れる河川の多くは西部、西北部、東南部の山地に源流がある。流域面積が100平方キロ以上の河川は560筋ある。水資源総量は403億5000万立方メートルあるが、一人当たりとなると約383立方メートルと全国平均の5分の1未満となる。動植物的資源は豊富で、現在108カ所の森林公園があり、そのうち国指定の森林公園は30カ所となっている。野生の陸生脊椎動物は520種の生息が確認されており、国家重点保護野生動物は94種類いる。

歴史の源

 河南省は中華民族と中華文明発祥地の一つだ。中華民族の始祖・黄帝は河南新鄭の生まれとされる。中華民族の起源、文字の発明、都市の形成と統一国家の成立にはすべて河南省が密接にかかわっている。5000年に及ぶ中華文明の歴史の中で、河南省が国家の政治、経済、文化の中心だった期間は3000年余りに及ぶ。その間、20の王朝がこの地に都を構え、200人以上の皇帝がこの地で執政した。中国八大古都のうち四つが河南省内にある。秦など九つの王朝の都だった洛陽、北宋など七つの王朝の都の開封、商(殷)の古い都・安陽と同じく鄭州だ。

 古代中国の四大発明はすべて河南が源になっている。文化財や遺跡が多数あり、人類の祖先が中原地域に生活していたことを示す裴李崗文化遺跡や仰韶文化遺跡、竜山文化遺跡がある。中華民族の始祖とされる伏羲の陵墓太昊陵、黄帝の誕生地とされる黄帝故里や軒轅丘、最古の天文台である周公測景台、歴史上最も早期に建てられた関所である函谷関、文献に残された伝承上中国最古の仏教寺院の白馬寺や「中国第一名刹」と呼ばれる崇山少林寺、国内外に名高い大相国寺などがある。洛陽、開封、安陽、南陽、商丘、鄭州、浚県、濮陽は中国歴史文化名城に指定されている。

自然風景

 河南省には雲台山、嵩山、王屋山-黛眉山、伏牛山の4カ所が世界地質公園として登録されている。また、安陽林慮山など国家地質公園が7カ所、新郷鳳凰山、焦作縫山など国家鉱山公園が3カ所、ほかにも国指定の恐竜卵化石群自然保護区が1カ所ある。省全体でA級観光景勝地が313所、AAAA以上の景勝地が101カ所ある。

 嵩山、白雲山、鶏公山、王室山、堯山、太行大峡谷、宝天曼、老界峰、雲夢山、南湾湖、丹江口など、いずれも素晴らしい中国独特の山水景観だ。黄河は西から東に河南省内約700キロを流れており、鄭州から開封の間の黄河は土砂が堆積して河床が平均両岸の地面よりも3~5メートルい「地上懸河(天井川)」の独自な自然風景が見られる。

人口と民族

 2013年時点での河南省総人口は1億601万人で、常住人口は9413万人となっている。都市居住人口は4643万人で省総人口の43.8%、農村居住人口は5958万人で同56.2%を占めている。人口密度は1平方キロメートル当たり平均633人。河南省は中国国内でも居住する少数民族人口が最も最も多い省で、また56の民族全てが暮らしている。省内には3つの民族区と21カ所の民族郷(鎮)、863カ所の民族が集まって暮らす村があり、少数民族が1万人以上の県(市、区)は50カ所ある。

行政区画

 河南には鄭州、開封、洛陽、平頂山、安陽、鶴壁、新郷、焦作、濮陽、許昌、漯河、三門峡、南陽、商丘、信陽、周口、駐馬店という17カ所の省轄市がある。また、済源市は省の直管市だ。そのほかに21の県級市、88の県、50の市轄区がある。