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臘八節、竈王節、大晦日

年越しの準備に忙しい臘月

 

年越し用品を買い求める東北の農民は、春聯、年画、門箋を選んでいる


竈の神を祭ったあとは、新年を迎えるための準備で忙しくなる。東北にはこういう民謡がある。「24は部屋を掃除し、25は豆腐を作り、26はお酒を買い、27は鶏をしめ、28は小麦粉を発酵させ、29は香炉の表面に黄色い紙を張る(先祖祭りの準備をする)……

 

掃除は、おもに家屋と先祖を祭る祠堂で、南方の人たちはベッドやタンス、机、椅子などを川辺に運び、洗ってきれいにする。

 

臘月は年越しの準備で忙しくなる。農家の人々は服を新調し、窓に紙を張り、窓飾りの切り絵をし、提灯を作り、年越し用品を買い、色々な食べ物を用意する。それは、お酒を醸造し、豆腐を作り、お餅をつき、豚をつぶし、ベーコンを作り、腸詰めを乾かし、鶏やアヒルをしめ、饅頭を蒸し、アズキあんのキビ餅を包む……。主婦たちは目が回るほど忙しい。しかしこの忙しさは、生活がよくなり衣食が豊かになったからだと、心の中はうれしさでいっぱいなのだ。

 

 しかし今の都会の人たちは、年越しに対する考え方も変わり、旅行に出掛けたり、レストランで「年夜飯(年越しの食事)」を食べたりするようになった。家で年を越す場合にも、まず車でスーパーへ行き、一度で年越しに必要な物をまとめて買ってくるようになった。

 

旧年を送り、新年を迎える

 

東北の農家は、大量のアズキあんのキビ餅を作り、年越しの準備をする


大晦日は、1年の最後の日で、もっともにぎやかな日である。朝食をすませると、各家はまず「門神(門を守る神)」の絵や対聯を張る。門神の絵は、勇猛な武将を描いたものがほとんどで、それを以って門を守り、魔除けをし、出入安全を願う。庭の門の両側には、「天増歳月人増寿 春満乾坤福満門(新しい1年が訪れ、人の寿命が伸び、春は天地に満ち、福は家に満つ)といった対聯を貼る。母屋の門には「天時地利人意好 瑞雪豊年又一春(天の時、地の利、人の和なり、瑞雪、豊作を兆して又1年)、台所には「厨房生香(台所がおいしいものの香りで満ちあふれる)」、倉庫には「五穀豊穣」というものを貼る。門には、「春」「福」などと書かれた4角の赤い紙を張り、色とりどりの門箋(飾りの切り紙)で門の上にある横木を飾れば、たちまちこの家は輝きだすのだ。

 

広間や寝室には年画が貼られる。この年画は木版刷りで、図柄は、四季の平安や、長寿と豊作、家族の幸福を祝うものが多い。構図豊かで、色彩も美しく、丸々と太った赤ちゃんと鯉、蓮が描かれた「蓮年有魚」は、「連年有余(連年余りある、豊かになる)」と発音が同じなので人気のある年画だ。

 

東北の農婦は、自分で作った切り絵の「窓花」で、窓や壁、天井、家具を飾り、都市では、広間や書斎に生け花や鉢植えを並べる。牡丹、竹枝は「富貴平安」、松、竹、梅は、健康や長寿を象徴し、満開の水仙は、よい香りで喜ばしい様子を表している。広州の人たちは、花市を回り、たわたわと実るキンカン鉢植えを買ってきて広間に置き、これは「吉星高照(幸運に恵まれる)」を象徴している。

 

大晦日の夕食をすませ、1年の垢を落とすために風呂に入り、新しい服や靴を身につける。家長は、先祖を迎えて新年を祝うために墓参りに行き、先祖を迎えて年を越す。一番奥の部屋には、先祖の像や名前を書いた家系図を掛け、ある家は祖先の位牌を立てて様々な供え物を並べ、盛大に先祖を祭る。広東省、福建省などでは、各家とも供え物を祠堂へ持って行き、先祖を祭る。

 

先祖を祭ったあと、年越しの食事をする。これは一家団欒と決まっていて、帰ることができない家族のためにも、お碗や箸を並べて、みんなが一緒であるようにする。この時に食べる料理には、色々な願いがこめられている。「余」と同じ発音の魚や、家族団欒、裕福、長寿を象徴する、肉団子、豆腐、春雨などを取り合わせたスープを食べる。

 

年越しの食事が終わると、家族全員が寝ずに新年を迎える。昔は、マージャンやトランプ、なぞなぞ遊び、中国将棋をしながらお屠蘇を飲み、新しい年を迎えたものだが、今は家族がテレビの前に座り、ギョーザを包みながら、春節の夕べの番組を見る。

 

12時になり除夜の鐘が鳴ると、外には爆竹の音が響きわたる。打ち上げられた花火は、色とりどりに夜空を飾り……喜びに溢れる新年がやって来る。

 

人民中国インターネット版

 

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