People's China
現在位置: 2010年 上海万博パビリオン巡り

「白墻青瓦」-独自の建築文化を館のデザインと映像で再現

 

孫雅甜=構成

安徽の建築を代表する「馬頭牆(階段状の切妻壁)」や小さな青瓦、舞い散る花のように軽やかに舞う娘、そして黄山、九華山、天柱山と長江、淮河、新安江の「三山三水」の美しい風光……。安徽館の展示は「歴史文化」「人文山水」「経済発展」「優美環境」から成り、二〇一〇年上海万博の明るく美しい風景の一画を形づくっている。

長い歴史を持つ徽州の文化は、かつて明清代には「徽州の文化なくして中国の街は成り立たない」とまで言われたほどだ。徽州出身の商人が中国の至る所で活躍したため、徽州文化が広く伝わったことに由来する。安徽館は徽州文化に内在する特質とその人類社会の発展に対する独特な貢献に立脚し、徽州文化が都市の発展を促進した歴史の脈絡を掘り起こすような展示にした。

安徽館の外観は明清代徽州建築の代表的要素である白い壁と黒色の瓦を取り入れ、その白黒で山水の境地を表現し、典型的な、白黒の美で中国の建築風格に奥深い影響を与えた徽州建築の風格を表現している。それは、気勢が雄大であるとともに、丹念で高貴なイメージさえ与える。

館に入ると、まず目にするのが「迎客松」だ。二本の通路が設けられていて、一方は黄山の雲海が湧いて流れる美しい絵巻で安徽の山水の風光明媚さを表し、視聴覚を通して都市は山水によって生き生きとしたものになるということを明らかにする。別の一方では、老子、荘子、華陀といった徽州の山水と文化に育まれた代々の偉人や名人が紹介されているが、それは来場者に都市は人文によって、より重厚になることを示している。

マルチメディア技術を駆使した徽州民家の蓮池(CFP)

「四水帰堂」は徽州の民家建築に対する最も分かりやすい貢献の一つである。天窓は徽州の民家で最も基本的な建築様式であるが、それは部屋の明かり取りに十分であるだけでなく、通気の用も成し、室内に居ながらにして朝焼けを、星空を見ることができる。外界とは仕切られているが、同時に自然と親密に接触できる設計になっており、「天人合一(天と人が一体となる)」、「和諧共生(人は自然万物との共生)」の理念を具体的に表現している。雨水は天窓のまわりのかけどいを通して用水路に導きいれ、四方の財がまるで雨水のように絶え間なく我が家に流れ込む……「天降洪福(天から幸せが降りてくる)、汇集財富(財と富が集まってくる)」という寓意が家の造りに託されているのである。マルチメディアの技術を駆使して建造された徽州の屋敷では、春雨がしとしとと降りしきる中、足元の水たまりにはさざ波が起き、蓮の花は雨音に従って揺らぎ、蟹や魚が遊び戯れる様子を映し出す。来場者はあたかも本当の徽州の民家に身を置いて、「四水」(四方の水)が「帰堂」(帰るわが家)する体験に身をゆだねることになろう。

 

人民中国インターネット版 2010年9月15日

 

 

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