北京の人口、3人に1人が地方出身者 都市問題が深刻化
北京市第6回国勢調査の結果が5日に発表された。それによると、北京市の常住人口は1961万2千人、うち地方出身者は704万5千人で、常住人口の35.9%を占めた。新京報が伝えた。
▽北京の人口増加スピード、全国平均を上回る
データによると、北京市の常住人口は1961万2千人で、10年前に比べて604万3千人増加、年平均で60万4千人増加した。年平均増加率は3.8%に達し、人口増加率は全国平均を上回った。また、地方出身者の数は704万5千人で、2000年の第5回国勢調査時と比べ、447万7千人増加、年平均で44万8千人増加した。年平均増加率は10.6%に達した。
地方出身者の人口が常住人口に占める割合は2000年には18.9%だったのが、2010年には35.9%に達した。北京市常住人口の3人に1人は地方出身者だということになる。
▽都市問題が深刻化
国勢調査のデータによると、北京市の流動人口の割合は10年で倍増した。中国人民大学の毛寿竜教授はこれについて、「地方出身者は北京市の人口増加の主な原因となっている。すなわち、北京市の人口調整は実質的にはいかに流動人口を管理するかということになる」と述べる。
絶えず深刻化する人口、資源、環境問題及び、交通渋滞などの「都市問題」により、政府も発展の勢いを抑えざるを得なくなった。「自動車や不動産の購入制限などが実施されたが、もしこれらの制限が無ければ、自動車の増加、住宅価格の上昇は短期間には緩和できないだろう」。
▽人口流入の緩衝地帯を形成
国勢調査によると、北京の中心区(東城区、西城区)の人口密度は開発区の3.1倍、発展新区の24.4倍となっている。
専門家は「ニューヨーク、ロンドン、東京など世界都市の経験を手本に、政府や企業の北京市中心エリアでの拡張を計画的に制限し、周辺の衛星都市に総合的なオフィスセンターを打ち立てるべき」と指摘する。
東京の都市圏を例にとると、一番内側は中心区、すなわち都心だ。その周りには一都三県からなる東京都市圏、一番外側には一都六県からなる首都圏がある。専門家は「北京も北京?天津?河北というメリットを利用し、周辺の省?市と共同で北京大都市圏を形成し、周辺の中小都市を発展させることで、北京への人口流入の緩衝区を形成することができる」と述べる。
「人民網日本語版」 2011年5月6日