People's China
現在位置: 2010年 上海万博パビリオン巡り

玄宗と楊貴妃がいざなう大唐の長安城

 

孫雅甜=構成

陝西館は大唐の長安城をモチーフにしたつくりになっている。中央には唐の宮殿がしつらえられ、皇帝が鎮座する正殿の両側には闕楼(望楼)が据えられている。この闕楼から宮殿をまたぐようにアーチ形の橋が架けられていて、その下に2本の道がゆくられており、来館者はこの道を通って参観する。奥の内壁には秦嶺が描かれ、その秦嶺を背景にした九龍舫(皇帝の舟遊びに使われた9頭の龍をかたどった飾り舟)も素晴らしい。

入り口で将軍俑が出迎え

陝西館の展示は華清池と華清宮を再現し、白楽天の『長恨歌』を題材に、大唐の華やかな宮廷生活を演出するとともに、今日の陝西の人々の暮らしも紹介する。テーマは「人文陝西、山水秦嶺」(伝統と文化に彩られた陝西省、山紫水明の秦嶺)。

入り口には高さ4メートルの将軍俑が万博のマスコット「海宝」と手をつなぐ大型彫像が置かれている。この像は、陝西と万博、陝西と世界が手を取り合って前進していることを象徴し、また内陸の陝西が上海などの沿海都市と手を携えて協力し合っているとの意味が込められている。

入り口に置かれた将軍俑と「海宝」(東方IC) 3 館内で切り紙の実演をする婦人(写真・馮進) 二組で同時に登場した玄宗皇帝と楊貴妃。どちらが「本物」か、ご判断ください(CFP)

さてどちらが「本物」?

陝西館の超人気者は何と言っても2組の玄宗皇帝と楊貴妃である。一組は俳優が演じ、もう一組は精巧なロボットが演じている。2組のカップルが同じステージに立ってあいさつすると、さてどちらが本物で、どちらが偽物なのか、ちょっと見ただけでは分からない。ロボットは皇帝と貴妃の盛装に身を包んでおり、顔つきも体形も2人の俳優に良く似ているからだ。ロボットの皮膚はシリコン製で色つやも感触もほとんど人間の肌と見分けがつかないほどだ。ロボットは笑ったりはにかんだりと各種の表情ができるだけでなく、『長恨歌』の詩句を朗誦することもできる。さらには観衆と簡単なコミュニケーションを行うこともできるのだ。来館者が一緒に記念撮影を行うときには、さまざまなポーズを取って、要求に応えてくれる。驚くべきことに、彼らには記憶機能も搭載されていて、顔なじみにはあいさつをする。万博の開催期間中、「真偽」2組の皇帝と貴妃は毎日陝西館の入り口に設けられたステージに立ち内外の客を迎えてくれる。

あなたに似ている兵俑は?

館内では、陝西館ならではのインタラクティブ活動がたいへんな人気だ。それは秦の始皇帝陵兵馬俑の数ある兵俑のなかで、あなたの顔はどの兵俑の顔に似ているかというインタラクティブ活動である。参加者は、その場で一枚、顔写真を撮ってもらうと、その写真に基づいてあなたに一番良く似た顔の兵俑を探し出し、館員がその写真をあなただけの記念絵葉書に仕上げてくれるのである。

館内には奥の内壁と正殿の背後、両側の闕楼上の四カ所にマルチメディア・スクリーンが設けられている。スクリーンにはそれぞれ『躍動陝西』『大明宮』『大秦嶺』『印象陝西』などのタイトルの映画が放映される。観客はその映像から多角的に陝西省のあれこれを理解することができる。また各種のタッチパネルもあって、来館者はパネル上の操作を通じて陝西省の経済・貿易、旅行、オンライン万博などさまざまな情報を入手することができる。このタッチパネルを用いて陝西館参観の感想を書き残す来館者も少なくない。

 

人民中国インターネット版 2010年9月26日

 

 

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