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万博後の日中交流 一層の発展に期待

 

岡田紘幸=文・写真

中国語スクール「ELC」経営者・浅野潤さん
上海で生活する約半年の間には本当にいろんな出会いがあった。そのなかで今回紹介したいのは、4月に知人を通じて知り合った中国語スクール「ELC」経営者・浅野潤(42歳)さんだ。日本でのサラリーマン生活を経て、10年前から上海に在住。大学で1年間の中国語学習後、日本人のための中国語スクールを開校した。長く上海に住んでいるため友人や知人も多く、普段からいろんな依頼があるそうで、万博関連でも関係者の通訳や、パレード関連の設営などの手伝いをしてきた。ジャパンウィーク時の人員紹介を頼まれてボランティアで仲介するなど、万博を陰で支えた一人である。

万博を陰でサポート

再び先日お会いでき、最近の上海の変化や身近な生活への万博の影響についてうかがった。「10年前、地下鉄は3路線だけだったのに、今は13号線までできて便利になりました。上海にやって来る日本人も増え、当スクールの受講生も今年は前年の130%増となっています。中国語を学ぼうとする人が増えたという意味では、万博開催はプラスの効果がありました。一方、街に人が増えて道が込んだり、日本から来る受講生向けのホテルが取りにくくなったり、物価が上がったのも事実です」と語る浅野さん。

今後については、「最近は日本へ旅行する中国人が増えているので、日本の関連サービス業の人には積極的に中国語を学んでもらい、日中間の交流をさらに進めていただきたいですね」と期待を寄せる。帰り際に、浅野さんから「日中交流にかかわっているのなら、中国語は話せた方がいいよね」と一言。ごもっともだ……。今後は、中国への語学留学も考えたい。

さて、このコラム連載も残すところあと一回だ。愛知万博同様、閉幕時の感動のドラマは非常に楽しみだが、寂しい気持ちも抑えられない。

(つづく)

地道に続けられてきた岐阜県の日中交流

 日本館イベントステージでは、地方自治体のトリを努める岐阜県。私は上海で知り合った岐阜県にゆかりのある方から「岐阜県の日中交流は一味違う」と聞き、県担当者にイベントの詳細をうかがった。
 それによると、岐阜県はこれまで多かったステージ企画中心ではなく、会場すべてを開放し、来場者の五感に響く内容を予定しているという。岐阜県観光・ブランド振興課海外戦略担当主査の北村和弘さんは「伝統芸能を見せるだけでなく、歴史的背景を説明しながら、中国の人たちに岐阜県の魅力を感じてもらいたい」と意気込む。当日は、岐阜県自慢の鵜飼の紹介や地歌舞伎などのステージも行われる。
 岐阜県は、22年前から江西省と友好関係を持つなど、日中交流に積極的に取り組んできた。それだけではない、1972年の日中国交正常化の10年も前から、岐阜市と杭州市の間で民間交流が始まっていたというから驚きだ。
 生まれも育ちも愛知県の私は、大学時代に縁があって岐阜県に出向き、多くの仲間に出会い、土地の魅力も味わった。それから約10年後の今年、上海で岐阜県の「日中交流」を知り、担当者と出会うこともできた。中国と岐阜県に、不思議な縁を感じる。今回のイベントは、万博終盤の大きな楽しみのひとつだ。
「岐阜県の日」
期間:10月23日(土)~26日(火)9時30分~22時30分
テーマ:水の源~清流と森林から生まれた岐阜~
内容:ウォーターシアター、観光・産業プロモーション、ステージPRなど

 

人民中国インターネット版 2010年10月

 

 

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