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空竹(空中で回す竹のコマ)

文=楊振生

多くの北京っ子の記憶のなかでは、「空竹」の音は街の目印となるものの一つだ。「空竹」をうまく回せる人ならそれがたてるブーン、ブーンという楽しげな音を聞き取ることができ、2本の竹竿で、無生命の竹の塊を「精霊」に変える。

北京市民による見事な「空竹」回し

「空竹」は、竹木を素材とし、中が空になっているため、このように呼ばれる。

種類は、コマの中心軸の片側だけに円盤がつく「単輪」と、両側に円盤がつく「双輪」の2種に分けられる。「双輪」は「単輪」よりも操作が易しい。円盤の周囲には、穴があり、大きな穴は低音、小さい穴は高音となる。一般的に、「空竹」は重さが約200~300㌘、直径は15㌢ほどだ。

時代の記憶を残す1970年代の8響「空竹」

「空竹」には悠久の歴史がある。明清時代には、農歴の毎月3日になると、土地廟の「廟会」(縁日のようなもの)が行われ、「空竹」の実演販売はその重要な催し物だった。その影響で、北京の広安門地区には、「空竹」回しを重要なレクリエーション活動とする住民が今も多く、親子代々、続けている人々も少なくない。

廟会に遊ぶ子供は、父母に「空竹」をせがみ、買って帰る。ゆえに北京の昔ながらの横丁にはその音がこだました。それは当時の北京の市民生活の一景であり、さらには北京の横丁文化の重要な一部分であった。

伝統的な北京の老芸人による大型の「空竹」回し

広安門内街道の「空竹博物館」は「空竹」の歴史を知ると同時に伝統的な「空竹」も販売している。「空竹」は制作、材料の品質によって、高、中、低の3価格に分けられる。最も安いものは十数元、高いものは数百元から数千元になる。

 

人民中国インターネット版 2013年10月8日

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