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「3・11」中国大使館員の奮闘記─ (4)

 

「3・11」東日本大震災発生後、東京の中国大使館の全館員が、被災地にいる中国人の安否確認を最優先し、「人間本位に、外交は国民のために」の理念を実践し、日本の防震・救助活動の最前線で奮闘した。震災一周年を迎えるに当たり、本誌は当時、最前線で奮闘した大使館員の所感と記録の一部を5回連載としてお届けしたい。地震多発国の中日両国の官民があの震災の教訓を共有し、連携を深める一助になれば幸いです。ここで改めて、今なお被災地の再建に必死に取り組んでおられる日本の皆様に、心からの声援をお送り致します。

 

互いの救助体制を学ぼう

中国駐日大使館政治部 汪澍

東日本大震災の発生後、多くの人々が無意識のうちに、中国と日本の救助体制を比較したことだろう。しかし、私個人としては、中国と日本の救助体制のどちらにも長所と短所があると感じている。

2011年3月11日の大震災後、中国の三一重工集団の職員が長いアームを持つ特殊ポンプ車と共に福島県の原発事故現場に駆け付け、日本の作業員と協同作業を行った(写真提供・中国駐日大使館)

中国の長所は、「政治を重んじる」ところだ。社会主義体制では、重大な事柄を扱うために力を結集させることができる。どれほど大きな困難に面したとしても、政治主導で全面的な働きかけがなされて各部門と地域の力を結集し、束ねられた力と精神力を通して一丸となって困難に立ち向かい、克服することができる。

日本は「専門を重んじる」。上は中央政府から下は地方自治体まで、自衛隊から民間企業やメディアまで、各々が非常に綿密な事前対応マニュアルを有しており、技術、装備、災害対策の体制構築など、体系的な防災対策を講じている。

今回の大地震では、日本のメディアとりわけ公共メディアのNHKが示した専門性は国際社会に深い印象を残した。諸外国のメディアが使用していた映像の大部分は、NHKが撮影していた高水準の災害映像だった。

物事には良い面もあれば同時に弊害となる面も確かに存在する。「専門を重んじる」ことにも、それゆえに起こりうる問題がある。顕著に表れているのが、「柔軟性」の欠如だ。専門化された救助は、事前かつ長期にわたってなされる周到な科学的準備によって可能となる。しかし問題は、災害が含んでいる不確定な要素だ。とりわけ今回は、大地震、津波、原発事故という三つの問題が同時に発生し、その災害の規模はすべての予測や想定をはるかに超えたものだった。もし福島の原発事故が起きなかったなら、日本の救助体制は完璧なものと称えられたことだろう。しかし3月12日の福島第一原発一号機の水素爆発により、大きな問題に直面した。原発問題に対処するための事前対応マニュアルはなく、対処するだけの専門的な能力もないなら、一体どうすれば良いのか?

日本政府、東京電力そして自衛隊は非常に混乱した中で、苦戦を強いられることとなった。

中国と日本の両国は互いに学びあうべきだ。日本は中国の「政治を重んじる」ところを見習うことができる。政治的リーダーシップを発揮し、社会と国民を動員することにより、みんなで力を合わせて突発的かつ想定外の災難に対処する。そして、さまざまな規則や制約による束縛や権益の追求を打破し、官僚主義や書物第一主義に反対し、統一された指揮と行動によって、結集された力で重大な問題を扱う。また国民の心を落ち着かせ、士気を高める役割を果たす。

中国は日本の「専門を重んじる」ところを見習うことができる。中国は世界で最も自然災害が深刻かつ頻発する国の一つだ。過去においては、私たちの救助能力に限界があり、装備の面でも後れをとり、そして災害対策の体制構築も科学的ではなかった。それゆえ災害発生後の瀬戸際で、しばしば体制が整っておらず、ひいては救助の機会や効果を失っていた。私たちの防災、減災そして救助の専門化のレベルを引き続き高めていく必要がある。

近年、中国での救助の専門化は足早に進んでいる。今回の大地震で、初めて日本に向かった中国国際救援隊は技術や装備、後方支援の保障、国際的な協調の専門化などの点で、すでに世界の一流レベルに達しており、複雑で変化の激しい状況下で科学的な救助を展開することができる世界でも数少ない精鋭部隊へと成長することができた。

人類が自然災害に対処する努力に終わりはない。中国と日本の両国は常に謙虚で慎み深く、互恵共栄の態度で共に学びあい、長所を取り入れ短所を補い合うべきである。

 

人民中国インターネット版 2012年7月13日

 

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