特集 北京の「背骨」 壮大な中軸線

2024-01-08 11:37:00

世界文明の絵巻には、それぞれの都市の軸となる線(目抜き通り)にそれぞれの美しさがある。パリのシャンゼリゼ通りやベルリンのウンターデンリンデン通り、さらにバルセロナやワシントン、キャンベラなどの町の中軸線は、どれも現地の有名なランドマークとなっている。中でも北京の中軸線は規模が最も大きく、歴史も最も長い。北は鐘鼓楼から南は永定門まで、全長7にわたって北京の中心部を貫く北京中軸線は、世界で最も長く保存状態の良い古代都市の軸線の一つで、「北京旧市街の魂と背骨」と呼ばれている。  

元代に始まり750年余りの歴史を誇る北京中軸線は、明清両時代から近現代にかけて形成整備された。故宮や天安門、景山、天壇など北京の最も重要な建築物のほとんどはこの中軸線上にある。その左右対称でバランスが取れ、整然とした構造は、中国人の調和と秩序、バランス感覚に対する追求を反映し、中華文化の「中庸思想」が込められている。 

中国は2023年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産センターに正式に北京中軸線の登録申請を行った。北京中軸線の世界遺産としての「資格」はどこにあるのだろうか。歴史遺跡の趣、脈々と受け継がれている重厚さ、それとも活気あふれる暮らしの息吹や文化の香りか――その答えを今回の特集で紹介しよう。 

 

 

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