中国市場に通じる展示会

2024-03-01 16:18:00

李家祺=文 

年春と秋の中国輸出入商品交易会(広州交易会)、4月の中国国際消費品博覧会、9月の中国国際サービス貿易交易会(サービス貿易会)と中国国際投資貿易商談会、11月の中国国際輸入博覧会(輸入博)など、近年、中国はさまざまな国際展示会を開催している。そしてグローバル経済貿易協力の新たなプラットフォームを構築し続け、中国の開放の扉は閉ざされることなくますます開かれていくだけだと世界に向けて明確なシグナルを発している。 

「行く」側から「迎える」側へ  

空を飛べる有人ドローンに、水中でも使用可能のリハビリ用トレッドミルマシン、差し込むだけで物体の熱分布を可視化するスマホ用サーモグラフィー機器……作業用農業機械や新エネルギー車、インテリジェントコネクテッドビークルという大型の物から、自動車パーツに金属製工具などまで、会場ではさまざまな展示品が次々と目に飛び込んでくる。世界各地から来たバイヤーがブースの前で足を止めると、出展者が直ちに商品の特徴を説明し、相手の具体的な要望を聞く。 

インドネシアの流通大手カワンラマグループの黄一君董事長が言った通り「広州交易会では、自分の思いつかない物以外は全て見つかる」。 

1957年に創設された広州交易会はもともと「中国輸出商品交易会」という名前だった。その頃、広州交易会は中国企業が西洋諸国と貿易を展開できるほぼ唯一のルートだった。 

改革開放後、無数の中国企業は広州交易会という「窓口」に狙いを定めた。「あの頃、多くの国内OEM生産企業にとって、輸出行きの『急行列車』に乗ればあとは安泰でした。広州交易会はそういう場所を提供してくれたのです」。浙江省余姚市の西摩電気有限公司の董越君総裁は20年以上前に初めて出展したときのことを感慨深げに語った。広州交易会によって、無数の「メードインチャイナ」が世界に進出したのだ。 

2007年、「中国輸出商品交易会」は「中国輸出入商品交易会」と正式に改名した。1文字増えた背景には、広州交易会が当初の一方的な輸出の場から輸出入の双方向の場となり、「海外進出」から「商品技術導入」、「世界中に売る」から「世界中から買う」となった変遷がある。 

創設から60年余り、広州交易会はオンラインを含めて参加した海外バイヤーが延べ1000万人に上り、中国と世界各国の貿易関係促進において独自の役割を果たしている。 

「一帯一路」共同建設においても、広州交易会は貿易の円滑化のための重要なプラットフォームだ。昨年10月に開かれた第134回広州交易会の輸入展示会には、43の国と地域から650社余りの企業が出展した。そのうち「一帯一路」共同建設国からの出展企業は6割を占め、中国と「一帯一路」共同建設国の成約額は122億7000万となった。 

広州交易会の歴史は中国の対外開放の歴史とも言える。無数の中国製品が広州交易会から飛び出し、中国という「世界の工場」を世界に知らしめ、世界各国も広州交易会を通じて入ってきて、中国という「世界の市場」を知った。 

開放のメリットを世界に 

「外資企業にとって、輸入博は中国政府関係者や企業経営者、消費者に自社の新製品や新サービスを紹介する絶好の機会で、中国社会や市場動向を理解する重要な窓口でもあるのです」。昨年11月に開かれた第6回輸入博で、パナソニックホールディングスの本間哲朗副社長は本誌記者のインタビューにこう答えた。 

18年の第1回輸入博から、パナソニックは欠かさず出展している。輸入博の波及効果について、本間副社長によると、19年に出展した高齢者向けスマート住宅は中国で大反響で、21年の出展時にPRした純水素型燃料電池を活用したRE100化ソリューションも大きな注目を集め、すでにパナソニックの無錫工場で実証実験が行われている。 

一国主義と保護貿易主義が台頭する中、欧米各国は貿易において積極的に輸出を増大し、輸入を減少させ、輸入超過を縮小させている。しかし輸入博は輸入をテーマにした世界初の国家級展示会であり、その目的は他国に広大な輸出市場を提供することにある。習近平国家主席は第6回輸入博に寄せたメッセージで「中国は常に世界の発展の重要なチャンスであり、ハイレベルの開放を揺るぎなく推し進め、経済のグローバル化のよりオープンかつ包摂的で、あまねく恩恵を及ぼす、均衡の取れた、ウインウインの方向への発展を後押しし続けていく」と、中国が対外開放を推し進めていく決意を再び鮮明にした。 

この6年で輸入博は中国市場に通じる「黄金の扉」となった。 

第1回から第5回までの成約見込み額は累計3500億近くに達する。第6回では128の国と地域から3486社が出展し、成約見込み額は前回比67%増で過去最高の784億1000万に達した。そのうち日本企業は350社が出展し、自動車、エネルギー、化学材料、電子部品、日用品、保険金融サービスなど幅広い分野に及んだ。 

「輸入博は中国のハイレベルの対外開放の縮図とも言えます。中国で発展する外資企業により多くの市場のチャンスと投資のチャンスを提供し、中国の開放のメリットを分かち合っているのです」。資生堂中国の梅津利信総裁兼CEOはこう考える。 

大企業であれ中小企業であれ、輸入博では中国市場行きの「快速急行」に乗れる。 

パキスタンから来たバイヤーのハビー氏は第4回輸入博に大ヒット商品の岩塩ランプを持ってきた。当時、輸入博出展中に上海の南京路で行われた「輸入博バザー」でハビー氏は6万点もの岩塩ランプを売った。 

「いま多くのリピーターからランプの新商品を求める連絡が来ています。輸入博でもっと多くの中国の消費者にパキスタンの手工芸品に注目してもらい、その業界が発展し続けるのを後押ししたいです」 

第6回輸入博では海外の組織運営機関が取りまとめた中小企業約1500社が出展し、数と展示面積は前回から4割ほど増えた。さらに後発開発途上国30カ国の企業約100社に無料でブースを提供するなどのサポートをした。 

「輸入博は中国市場を模索する機会を与えてくれました。さまざまな国のメーカー、サプライヤー、バイヤーとここで戦略的協力関係を打ち立てて、市場シェアをさらに拡大し、より多くの消費者を引き付け、多様な製品とサービスを提供したいです」とカザフスタンンのバイヤーは期待に胸を膨らませて言った。 

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