コスパとエコ両立の中古市場
王朝陽=文
杭州市西湖区のショッピングモールにあるリサイクルショップに衣類、スニーカー、アクセサリー、小型家電などの中古品が所狭しと並んでいる。若者たちは足を止め、目当てのお宝を探している。店長の陳さんによると、「限定版のフィギュアや希少版の書籍、生産が終了した衣服もここでなら見つかるかもしれません。現在の中古品は保存状態が非常に良いため、若者にも人気です」
中古市場はネット上でも若者によく利用されている。データによると、中古品取引プラットフォーム閑魚はユーザー数が6億を突破し、「95後」「00後」のユーザーが半数以上を占め、毎日10億元以上の取引が行われる。中古品消費はもはや若者たちの日常の一部だ。
理性的にコスパ追求
「新品に手が出せないのではなく、中古品の方がコスパが良いんです」と言う胡宇星さん(24)は、ネットで中古の一眼レフカメラを買ったばかりだ。「カメラは高いですが、あまり使用するものでもありません。良い中古品を買えれば、実用的だしお得です」。カメラだけではない。胡さんは服やバッグ、化粧品、家庭用品に至るまで、新品を買う前に中古市場を見て回ったり、フリマサイトを調べたりするのが当たり前になった。
いくつもの中古品取引プラットフォームのデータにより18~34歳の若年層の取引の頻度が他の年齢層に比べて著しく高いことが明らかになった。コミュニティーサイト豆瓣にある「消費主義逆行グループ」の一人が自身の変化を語った。彼女は定価数百元の衣類を中古品プラットフォームで売ろうとして、数十元にしかならなかったことがきっかけで、物の本来の価値について考え始めた。そして月に1万元使う「物欲の患者」から、中古品プラットフォームで掘り出し物しか買わない「理性的な消費者」となった。

新品やブランド品を短絡的に追い求めるかつてとは異なり、今の若者は商品に対して実用的価値とコスパにより重きを置くようになった。
社会的つながり求める
このような理性的な消費というトレンドの下、「実用的でお得」は今の若者が中古品消費を選ぶ最も直接的な要因となっている。買い手は出費を抑えられるし、売り手も当初の購入費用の一部を回収でき、無駄を減らせる。インターネット業界で働く王子軒さん(27)は、閑魚を利用したもともとの目的は「回血」(ネット用語。家に眠る不用品を金銭に換えること)だったと率直に語る。しかし数年前に、使っていない「チェキ(10)」(インスタントカメラ)を中古品取引したことで、友情を育んだ。同市内に住む買い手との取引の中で、使い方などを詳しく聞かれ、2人は撮影から旅行の話までするようになり、ついには友達になったのだ。「今では機会があれば一緒に撮影に出掛けます。取引を超える結び付きを得ました」
売り手と買い手という単純な関係性を超越する社交的要素は、中古品取引の価値を再定義している。閑魚が発表したデータによると、同プラットフォームの1日当たりの交流数は延べ200万回を超え、そのうち35%の対話内容は取引とは無関係で、共通の趣味や経験の共有に及んだ。特にゲーム、ペット、植物、フィギュア、アニメなどの趣味消費の分野では、一つの注文で平均40フレーズの対話が発生する。その対話の40%は取引完了後に発生するもので、多くの買い手と売り手は商品到着後に新たな関係を築き、互いの社交生活を豊かにしている。
エコとサステナブル
中古品消費が若者の間ではやっているのは、経済的メリットがあったりソーシャル機能を兼ね揃えているから以上に、その中核となる「物を最大限に活用する」理念がサステナブルを追求する現代の若者の価値観と高い親和性を有しているからだ。
中古品取引プラットフォームである転転グループのユーザー向けアンケートによると、中古品を買う理由を「エコ、サステナブル」のためと答えた消費者が4割近くいた。循環経済は資源の減量化と再利用、リサイクルを重視しており、中古品取引はまさにその理念を体現している。中古品取引によって若者は浪費を控えているばかりか、自然資源への依存も減らし、地球の持続可能な発展に自分なりに協力しているのだ。
1着の服をリサイクルすれば平均0・72㌔、1台の携帯電話を不用品取引に出せば21・34㌔の二酸化炭素排出量を削減できる。アリババグループが発表した「環境・社会・ガバナンス報告(2024)」によると、グループ傘下の閑魚でユーザーが中古品取引や不用品回収に参加したことで、2023年と比べて110%増の合計約659万4000㌧の二酸化炭素排出量が削減された。これは453万世帯の1年間の電力使用で発生する二酸化炭素排出量に匹敵する。
忌避から受容へ
節約という概念は1980~90年代に深く浸透し、「新品で3年、古くなっても3年、修理してさらに3年使う」という消費観念が主流で、捨てるのを惜しみ、壊れるまで使い続けた。そのため、当時は「中古品」が「粗悪」「時代遅れ」と結び付けられることが多く、人々は中古品に対していくばくかの心理的な抵抗を抱いていた。
しかし中古市場が整備され、不用品流通網も日増しに健全化された現在、若者は「中古品」に対してネガティブなイメージを抱かなくなった。中古品消費という新たなトレンドは現代の若者の生活に対する新たな理解と態度を反映している。若者が求めているのは実用性とコスパ、社交的で血の通った結び付き、そしてエコとサステナブルだ。中古品消費の中で若者たちが見つけた全く新しい生活スタイルとは、物質的欲求を満たしながらエコの理念を実践し、生活コストを下げながら社交的な価値を得ることだ。
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