全国に及ぶ人と自然の調和
王金臣=文
長江のほとりにある湖北省嘉魚県の長江沿岸線は緑にあふれ、早朝は湖畔沿いの環状遊歩道で市民が気ままに運動している。かつてはゴミに囲まれ、汚水が流れていたこの小都市が、今では長江大保護の鮮やかなモデルとなっている。そのはるかかなたにある新疆ウイグル自治区のアクス(阿克蘇)地区では、整然と植えられたコヨウとハクヨウ(どちらもポプラの一種)が風にたなびき、澄んだ湖面に逆さまに映っている。かつてはめったに見掛けなかった狐や野ウサギがエサを探して山林を駆け回り、荒れ地にはいま幾重にも湧き上がる緑の希望が静かに広がっている。

東と西、水辺と砂漠、万里を隔てた二つの土地は新時代の人と自然の調和の取れた共生という生き生きした絵を共に描いている。二つの土地は「十四・五」期間に中国が推し進めた山・水・林・田・湖・草・砂一体化保護・修復プロジェクト(以下、山水プロジェクト)の縮図であり、美しい中国の建設が理念から実践へ移り、青写真を現実化した有力な証拠である。
生態修復の新モデル
長江経済ベルトは生態文明建設の先駆的モデルベルトだ。2016年、「長江経済ベルト発展計画綱要」は「共に大保護に力を入れ、大開発をしない」と明確に打ち出し、長江生態保護を国家戦略レベルに引き上げた。21年に国家発展・改革委員会による「『十四・五』における長江経済ベルト発展実施方案」では、25年までに長江経済ベルトの生態環境保護の成果が着実に押し上げられるといっそう明確化した。
国家戦略の導きの下、長江生態保護の実践の道筋が各地で次々と模索され、中でも嘉魚県は積極的な実践者となった。19年に嘉魚県は沿岸生態向上モデル事業を正式に始動した。中国省エネ環境保護集団有限公司のプロジェクト責任者は次のように話す。「山と水が寄り添い、川と湖が隣り合うここは、山、水、林、田、湖、草など生態要素が全て集まっています。私たちのチームは危険な岩の除去や緑地化にとどまらず、16万立方㍍もの廃棄物を選別しました。腐植土は五つのサブプロジェクトの緑化に用い、軽質物は50㌔離れた廃棄物焼却場へ運び、固形廃棄物はその場で地形の形成に使いました。このモデルは廃棄物の浸出水が長江の水質を汚染するリスクを根本的に排除しているばかりか、廃棄物の資源循環利用も実現し、生態ガバナンスの持続可能性をさらに高めています」
モデル事業をきっかけに嘉魚県では「生態修復を基盤とした、文化観光と健康福祉の融合発展」という新たな枠組みを速やかに構築し、生態的・経済的・社会的利益の有機的統一を実現した。その流域生態保護と質の高い発展における革新的な実践により、長江経済ベルトおよび周辺の多くの市県政府が視察や勉強に訪れ、全流域の生態ガバナンスのために貴重な「嘉魚の経験」が提供された。
砂漠の「足し算」的整備
嘉魚県が水の豊かな土地で「引き算」をしているのなら、アクス地区では極度な水不足の砂漠で「足し算」を行っている。新疆ウイグル自治区のタリム(塔里木)川重要源流区(アクス川流域)における山水プロジェクトは「十四・五」の第1期の山水プロジェクトに選ばれた。総投資額58億5900万元、面積3万6000平方㌔に及ぶプロジェクトは、極度に乾燥した地域の生態修復に一筋の道を示した。
かつて老大川(アクス川下流の重要な支流)の水が途絶えたことで、コヨウ林は大きく減少した。事業チームは38㌔にわたる川の浚渫を行い、アクス川と老大川を連結し、「死の川」に新たな生を吹き込んだ。並行して建設された生態防護道路は管理や保護を容易にしたばかりか、ドゥラン(刀郎)文化観光地とをつなぎ、生態保護と文化観光を兼ね揃えた特色ある回廊をつくった。
「水が来て、木がよみがえり、観光客が訪れた」。これは地元の村民の共通認識だ。最も代表的なのがアクス地区オンスー(温宿)県の環城坎坡(町を囲む傾斜地)生態修復事業だ。50㌔に及ぶ急勾配の高台はかつてがけ崩れが頻発した「都市の傷跡」だった。プロジェクトでは「工事による斜面の安定+生態系の緑化+産業の導入」モデルを革新的に採用し、生態修復と産業発展を深く結び付けた。「今ではここの観光業の年間収入は約1億元に達し、『森林で森林を維持』が真に実現できています」とプロジェクトの責任者は語った。
昨年末までこのプロジェクトは累計で生態保護・修復を2353平方㌔実施し、河道整理と堤防修復を650㌔行い、植栽で1万1400㌶緑化し、土地を1万8025㌶整備し、土壌流出対策面積は420㌶に及んだ。これらのデータの一つ一つが、年間降水量100㍉にも満たない極度の乾燥地域でも、体系的観念を持ち、自然の法則に従えば砂漠をよみがえさせられることを証明している。生態修復は堅実な緑のカーテンを築き上げるだけでなく、持続可能な発展の内在的原動力をより効果的に活性化させた。
グリーンがより明確に
長江のほとりからタリム川の源流まで、嘉魚県とアクス地区の実践は、生態修復とは孤立した技術的プロジェクトではなく、空間の再構築や産業のモデルチェンジ、制度の革新を覆う体系的な変革という深遠な道理を共に実証した。
「十四・五」期間で中国は山水プロジェクトを100件近く実施し、修復面積は5万平方㌔以上に及び、重点生態機能エリアと重要流域をカバーした。これら実際の整備の効果は「十五・五」期間に生態保護を深化し、グリーン発展を推進する堅固な基礎を固め、美しい中国の建設の道筋をいっそう明晰にした。
「十五・五に関する建議」は「美しい中国の建設に新たな重要な進展を遂げる」ことを経済・社会発展の主要目標に明確に位置付けた。さらに一連の鍵となる措置を配置し、「澄んだ水と青い山こそが金山であり銀山である」という理念をしっかりと確立して実践し、二酸化炭素排出量のピークアウトとカーボンニュートラルをけん引とし、二酸化炭素排出削減・汚染対策・緑化・経済成長をバランスよく推進し、生態系を守るバリアーをしっかりと構築し、グリーン発展の原動力を強化することを強調している。
南から北へ広がる生態の変化と「十四・五」から「十五・五」へつなぐ継続的な行動により、グリーン発展は中国式現代化の最も鮮明な下地となり、人と自然の調和の取れた共生という絵を生き生きと描いている。
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