計画が描く世界のチャンス

2026-04-23 16:32:00

今年は「十五五」幕開けの年であり、中国の社会主義現代化建設は全面的に力を入れる重要な時期に入った。 

地球を見渡せば、世はまさに多事の時であり、地政学上の衝突が相次ぎ、世界経済の回復は力を欠き、一国主義と保護主義の暗雲が立ち込めている。混迷と変動が交錯する時代に、中国は今後5年間の発展の青写真をどのように描いたのか。そして、波乱含みの世界にどのような新たな機運と原動力をもたらすのか。 

発展の道筋を長期的に展望 

今年の全国両会の中心議題の一つは、「十五五」の「要綱(草案)」を審議し、今後5年の国の発展の青写真を描くことだった。 

世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書」の2026年版は、不確実性が今年の世界が直面する確定的リスクであり、地政学的緊張の高まりや世界経済の下押し圧力が各国共通の課題になっていると指摘している。その中で中国が世界に確実性をもたらし安定の力になる核心的秘訣ひけつの一つは、一貫した長期計画にある。1953年に最初の五カ年計画を実施してから、中国は14の五カ年計画を継続的に推進し、目覚ましい発展の成果を上げてきた。 

ハンガリー労働者党議長のトゥールメル氏は「明確な計画と目標を持ち、持続的に開放を続ける中国は中国自身の幸せであるとともに、世界にメリットをもたらす」と評した。またスリランカのヴィジタヘラート外相は「中国の五カ年計画は常に長期的視野で発展を展望し、一時の利益にとらわれず、発展の連続性と安定性に重きを置いている。これは複雑な環境の中で構造の転換を推し進める発展途上国にとって重要な示唆を与えるものだ」と述べた。 

今年の両会は「中華人民共和国国家発展計画法(草案)」が正式に審議に付された。これにより、中国の長期計画制度は法治化の軌道に乗った。「国家発展計画法を制定し、法治によって計画の科学性、連続性、安定性を保証することは、制度の優位性を発展の優位性へと転換することに有利です。計画法はまた、発展計画がトップダウン設計3)と国民からの意見募集を統一的に行わなければならないと明確に打ち出しています。これは公民が秩序をもって国家の重要な意思決定に携わる明確な法的根拠を提供しており、社会主義民主政治の制度化、規範化、手続き化を体現する重要な現れです」と全人代代表で西南政法大学教授の付子堂氏は述べた。 

「十五五」は中国の今後5年の発展のために総合的な基調と方向を定めた。そして国家発展計画法は「十五五」が着実に実施されるための制度的保障を提供する。長期的視野に基づく計画と法治による保障が相互に連携し共に力を発揮することで、中国の発展の針路はより明確になり、中国の発展に対する世界の期待も一層確かなものとなる。 

経済発展の基礎を堅固に 

今年の「政府活動報告」は2026年の経済成長率を45~5%とするとともに、実際の取り組みにおいてより良い結果が得られるよう努めると強調している。 

「7年ぶりに経済成長目標の範囲を設定したことは、今年はマクロ経済の運行においてより大きな柔軟性を維持することを意味しています」。清華大学中国発展計画研究院常務副院長の董煜氏はこう述べ、次の考えを示す。中国経済は新旧原動力の転換が続き、新興産業、グリーン産業、ハイエンド設備製造業などが活況を呈している。これが経済の持続的で安定した運行に力強い原動力を注入し、中国がこの成長目標を実現するための強固な支えとなっている。 

今年の「政府活動報告」では、改めて内需拡大を通年の活動任務のトップに据え、内需成長の新たな空間を拡張し、中国の超大規模市場の優位性をよりよく発揮させると強調している。 

浙江省杭州市では、没入型観光体験施設のチケットが入手困難となり、キャンプ経済や無形文化遺産体験が若者の消費の新たな目玉となっている。広東省深圳しんせん市では、コミュニティー高齢者サービスや個別化された健康管理などのサービス消費の人気が高まり続けている。河南省鄭州市では、中国ブランドが持つ文化的内容や感情的な共鳴によって「情緒的価値」が消費の理由になっている。現在の中国の消費市場を見渡すと、モノ消費からコト消費への移行がますます顕著になっている。この変化の背後には、人民の消費需要の高度化があり、中国経済の内需の潜在力も示している。 

「新たな需要が新たな供給をけん引し、新たな供給が新たな需要を生み出す」ことが「十五五」内の内需拡大に関する中核的政策の記述だ。全人代代表で中国マクロ経済研究院市場価格研究所所長の臧躍茹氏は、新たな需要と新たな供給が形成する好循環が、中国経済の強靭性の重要な体現だと考える。超大規模市場の優位性に依拠し、需要と供給双方向の活発化の動的バランスを推し進めることで、経済発展の内生的原動力を持続的に引き出し、中国経済の活力を常に湧き立たせることができると臧氏は見る。 

実現化進むAI 

今年の春晩(春節特番)で披露された人型ロボットの流れるような武術パフォーマンスの動画が、海外のSNSで拡散された。ミラノ冬季五輪では、アリババのQwen大規模言語モデルを基盤として開発された五輪公式大規模モデルが、中国の人工知能(AI)を国際イベントの「スマート頭脳」に押し上げた。中国のAI動画生成モデル「Seedance(シーダンス)20」が海外のソーシャルプラットフォームで継続的に人気を博し、世界中の動画制作者に新たなスマート制作体験をもたらしている。中国の科学技術イノベーションは年初から何度も世界の注目を集めている。 

昨年初めてエンボディドAI4)が「政府活動報告」に盛り込まれたとき、それが何を意味するのか知っている人は少なかった。しかしわずか1年で人々の意識は、「人型ロボットはいつ仕事や生活のパートナーになるのか?」に変化した。 

AIは両会期間中の代表委員の白熱した議題となった。AI時代の人材育成を巡り、全人代代表で中国核工業建設股份有限公司高級エンジニアの師延財氏は「人材は産業と正確にマッチングさせるべきです。業界と企業にどのような人材が不足しているのかで、どのような人材を育てるのか決めるべきです」と述べ、エンボディドAIもハイエンド製造も、最終的に競い合うのは技術を実用化できる「大国の匠」だという考えを示した。全国政協委員で奇安信集団董事長の斉向東氏はAIの安全性に注目する。斉氏は、AIがさまざまな業界で深く活用されるにつれ、データセキュリティーとプライバシー保護5)がとりわけ重要となってくるため、自主的に制御可能なAIネイティブデータプラットフォームシステムの構築を急ぎ、AI発展のセキュリティーを確保するよう提案した。 

今年の「政府活動報告」は初めて「スマート経済の新形態を構築する」と提起した。これに対し、政府活動報告起草グループ構成員で国務院研究室副主任の陳昌盛氏は次のように述べる。「AI技術が『デジタル画面』から『現実世界』へ移っており、ビジネスモデルと生産生活様式の再構築を加速させています。政府活動報告は3年連続で『AI+』に対し配置を打ち出しています。今年、スマート経済の新形態を提起したのは、AIの発展のチャンスをつかみ、各業界でのAIの活用を推進し、経済成長の新たな空間を一刻も早く切り開き、新たなモデルを育成し、新たな原動力を成長させるためです」 

全国政協委員で百度董事長の李彦宏氏は、スマート経済の新形態の中核はAIと実体経済の深い融合であり、単純な技術の組み合わせではなく、生産、流通、消費といったチェーン全体の知的再構築だと考える。全人代代表で科大訊飛董事長の劉慶峰氏も、スマート経済の新形態を創り出す中核はAIを「ツール」から「インフラ」へと推し進めることにあると考え、「一般企業と一般人がスマート技術がもたらす利便性と恩恵を受け取れるようにし、スマート経済の発展をより温かみがあり普遍的恩恵があるようにしなければなりません」と述べた。 

民生で幸せ描く 

「政府活動報告」に盛り込まれた「ヒトへの投資」「民生を最重要項目とする」といった素朴に見える言葉は、中国の発展が人民中心という核心的理念に基づいていることを示している。 

長い間、投資は、目に見えたり実際に触れられたりするインフラや設備、重要プロジェクトなどを指してきた。一方、「ヒトへの投資」は人間本位の原則を堅持し、より多くのリソースを教育、健康、職業技能、社会保障など人間の発展に投入することを意味している。 

今日の中国は人口構造の大きな変化に直面し、従来の人口ボーナス6)が徐々に弱まっているが、持続的かつ効率的な「ヒトへの投資」は規模がさらに大きく質がさらに高い人的資源ボーナスの速やかな構築に役立つ。近年、中国の製造業の急成長を支えてきたエンジニアボーナス、都市農村の住民に一層の安心感と満足感をもたらす社会保障体系、そしてハイテク分野が持続的に押し上げるイノベーション力は、「ヒトへの投資」の最たる例だ。 

今年の「政府活動報告」は民生保障と民生改善をより重要な位置に据えており、「民生を最重要項目とする」ことを明確に打ち出している。都市農村住民所得向上計画の策定実施から財政を民生の保障に一層振り分けるという方針に至るまで、より温もりと力強さがある一連の政策措置が次々に実施され、人民中心の発展思想を体現している。 

過去5年で中国は教育、医療、高齢者福祉、雇用など民生の分野に約100兆元の財政を投入し、公共サービス体系を絶えず整備してきた。住民1人当たりの可処分所得は年平均で54%伸び、都市部の新規就業者数は累計で6000万人を超えた。これらの数字は「ヒトへの投資」が人々の期待に応えてきたことを示している。今後5年も「民生を最重要項目とする」理念は政府活動の全過程を貫き、就学前教育発展資金の大幅増加、都市農村住民基礎年金の給付基礎月額の引き上げ、業務災害保障の導入試行の全国的実施など、より公平で包摂的かつ的を絞った社会政策が打ち出され、国民により多くの実感できる利益をもたらすことになる。 

「ヒトへの投資」「民生を最重要項目とする」の重視は、中国式現代化の独特な内実を十分に示している。「成長至上主義」の発展ロジックに固執することなく、具体的な一人一人の人間に目を向け、地に足がついた発展の中で民生の福祉を保障改善し、実質的な民生改善でより質の高い発展の原動力を蓄積し、最終的に中国式現代化の建設の成果をより多く公平に全人民に行き渡らせるのだ。 

法で自然守る 

福建省福安市にある康厝シェ(畲)族郷の金斗洋村では、シェ族の特色ある民家が大自然の中に点在し、シェ族文化体験が各地から観光客を引き寄せている。「昔は『山に頼って生きる』と言えば木を切ることでしたが、今はエコツーリズムです。昨年、村には4万人以上の観光客が訪れ、村民の収入も増え、生活はますます希望に満ちています」。今年の全国両会で生態環境法典(草案)が審議に付されたことについて、全人代代表で金斗洋村の党支部書記である鍾団玉氏は大きな期待を寄せている。「この法典が制定されれば、私たちが緑の山河を守る自信はさらに強まり、農村はより美しく、住民はより豊かになるでしょう」 

生態環境法典は中国で民法典の次に「法典」と名付けられた2番目の法律であり、世界で初めて「生態環境法典」と名付けられた法律でもある。16万字余りに及ぶ法典には、従来の汚染防止や生態保護といった分野を含むだけでなく、気候変動への対応や、二酸化炭素排出量ピークアウトとカーボンニュートラルなどの新たな課題も盛り込み、「人と自然の調和的共生」を法的理念として確立している。 

北京工業大学経済管理学院法学部主任の譚柏平氏は次のように述べる。過去数十年において、中国では経済の急速な発展に伴い、環境汚染や生態破壊の問題が一時期深刻だった。しかし中国はこの問題を認識した後、積極的に環境ガバナンスの弱点を補い、法整備を重要な手段の一つとして進めてきた。現在、中国の生態環境分野には30以上の法律、100以上の行政法規、1000以上の地方条例、さらに多くの環境基準からなる巨大な制度体系が形成されている。生態環境法典の編纂へんさんは、これら分散している法規や政策を統合し、安定した法体系と長期的な法治枠組みに格上げすることを目的としている。 

また、生態系保護の面で、「十四五」では「三区四帯」(青蔵高原生態バリアー区、黄河重点生態区、長江重点生態区、東北森林帯、北方防砂帯、南方丘陵山地帯、海岸帯)が明確化されたが、「十五五」では新たに「三北」プロジェクト区が加えられた。中国北方にある八大砂漠と四大砂地の、西はタリム盆地から東は松嫩平原西部までの広大な砂塵地帯が対象だ。黄河「几」の字型堅塁攻略エリアから出席した全人代代表で、山西国際エネルギー集団水務公司チーフエンジニアの李麗麗氏は「今は『三北』プロジェクト堅塁攻略の瀬戸際にあり、科学的砂漠化対策の理念は単なる植林から全域的な生態系修復に転換しました。関連地区が協力し、万全な機能を持つ堅牢な北方辺境の緑の長城を必ず築けるでしょう」と感慨深げに述べた。 

今後5年で「三北」プロジェクト区の森林草原率を409%に引き上げる、南方丘陵山地帯で11万の造林を完成させる、海岸線を400修復するなどの具体的なプロジェクトと指標は、計画図に緑の濃淡を徐々に描き、法治の導きの下、美しい中国という姿を体現するだろう。 

世界に平和と安定を 

世界経済の回復が力を欠き、地政学的構造が大きく変化する現在、全国両会が発したメッセージは自国の発展計画に留まらない。超大規模市場、自由貿易協定の拡大、一方的なビザ免除拡大がもたらすハイレベルな対外開放、そして新興産業と未来産業を次々創出する革新的原動力、世界最大の再生可能エネルギー投資国として生み出すグリーンボーナスなど、世界はそこから中国が平和的発展を堅持する意思のほかに実現能力を備えていることも見ることができる。 

14億人以上の人口を抱え、世界経済成長への貢献率が約30%を維持している大国として、中国がどのように「平和」を定義し、「発展」を実現するのかは極めて重要だ。隣国の利益を犠牲にするような覇権的な「平和」や排他的な「発展」を追求するのか、それとも相互尊重と協力ウインウインによる平和的発展の道を歩むのかによって、世界へもたらす結果は大きく異なる。中国の答えは、一つ一つの具体的な行動の中に示されている。嫦娥6号が持ち帰った月の土壌を世界各国と共有したこと、新エネルギー技術をグローバルサウス7)の国々の家庭にまで普及させていること、またウクライナ危機やパレスチナイスラエル衝突といった世界の関心が集まる問題の政治的手段による解決を積極的に推進していること、そして「一帯一路」の質の高い共同建設を進め、各国の共同発展を後押しすることまで、中国は常に世界平和の建設者であり、世界発展の貢献者なのだと事実が繰り返し証明している。 

中国の発展は平和な国際環境なしには成り立たず、同時に世界の平和と発展もまた、ますます中国の安定した力を必要としている。今年の全国両会の外交部長記者会見で、王毅外交部長は、中国外交が引き続き「安定性」と「確実性」を提供することを自身の核心的な国際的役割としていくことを明確にし、中国は「世界で最も重要な平和の力、安定の力、正義の力」であると述べた。大国関係においては、中国は新型大国関係の構築を推進し、「相互尊重平和共存協力ウインウイン」を主張している。地域紛争については、中国は国際的公正正義の側に立ち、対話と交渉による解決を堅持し、「力が強い者が正しい」というジャングルの法則に反対している。グローバルガバナンスについては、中国は「平等で秩序ある世界の多極化」と「互恵的包摂的な経済グローバル化」の構築を提唱し、グローバルガバナンス体系をより公正で合理的な方向へと発展させることを推進している。ブラジルのジェトゥリオヴァルガス財団のエヴァンドロカヴァーリョ教授はこれについて「中国外交の核心的キーワードは『安定』と『協力』である。世界が分裂のリスクに直面しているとき、中国はより包摂的な国際秩序の構築を断固として推進している。これは多くの発展途上国にとって、より大きな発展の余地と制度的保障を意味する」と評価している。 

壮大な国家計画や具体的な民生政策、最先端の科学技術イノベーションや身近な自然環境の保護、そして安定して前向きに進む経済基盤や責任ある大国外交まで、全国両会は世界に対して明確なメッセージを発している。すなわち、中国は変動する国際情勢の中で自国の発展の歩調をしっかりと保つだけでなく、その発展の確実性をもって不安定な世界に貴重な信頼と新たな原動力を注ぎ込もうとしている。 

人民中国インターネット版

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