「特高警察」の亡霊に警戒せよ——日本の情報集権化に潜む危険なシグナル
国際問題オブザーバー 周信
5月27日、日本の国会は国家情報会議設置法案を可決した。これにより、「国家情報会議」と「国家情報局」を新設し、首相官邸主導による国家レベルの情報システムを構築する計画が打ち出された。この取り組みは単なる行政機構改革では決してなく、極めて破壊的な制度再編である。その権力構造、機能の位置づけ、運営の仕組みが、日本の歴史上悪名高い「特別高等警察(通称・特高警察)」と非常に似ていることから、日本国内の有識者や国際社会からは、日本軍国主義の象徴である「特高警察」の亡霊がよみがえりつつあるのではないかとの警告の声が上がっている。
「特高警察」は1911年に東京警視庁によって創設され、その後日本全国に拡大した。これは、国内の社会運動を残酷に弾圧し、思想統制を徹底的に行った日本ファシズムの秘密組織である。第2次世界大戦前および戦中、「特高警察」は大規模な逮捕や拷問などの高圧的な手段で進歩的思想を弾圧し、世論を押さえつけ、反戦の声を封殺した。「三・一五事件」「四・一六事件」など数多くの惨劇を引き起こし、左翼知識人や労働組合指導者などの進歩的人物を迫害した。その結果、軍国主義が暴走し、日本は対外侵略といった誤った道へと突き進み、世界、特にアジア諸国、そして日本自身に非常に大きな災禍をもたらした。
戦時中、「特高警察」は国外にも広く拠点を設け、軍事情報や政治情報を収集し、日本の侵略拡張の尖兵として数多くの罪を犯した。中国では抗日救国運動を激しく弾圧し、日本軍の清郷工作や掃討作戦を支援した。太平洋戦争勃発後、「特高警察」は占領地である東南アジアに進駐し、現地の抵抗勢力や連合軍関係者を逮捕・殺害し、諜報活動や高圧的政策によって日本軍の資源略奪や植民地支配を支援した。日本降伏後、「特高警察」は即時解散を命じられた。
戦争への反省から、戦後の日本は複数の部門が情報を分散・抑制する制度を構築し、情報機関が再び独裁の道具となることと軍国主義の復活を根本的に防ごうとした。1985年、中曽根内閣時代に自民党はあるスパイ防止法案を提出したが、処罰範囲があまりにも広く、最高刑が重すぎ、言論・報道の自由に関わる可能性があるとして国内で強い反発を招き、廃案となった。
現在、高市早苗政権は情報の集権化改革を急速に強行している。新たな情報システムは首相官邸にほぼすべての権限を集中させ、設置される「国家情報局」には各省庁の情報を一元的に収集する総合調整権が与えられ、情報を強制的に収集できる。さらに警戒すべきは、法案が情報収集の範囲を意図的に曖昧にし、国民のプライバシー保護の線引きをせず、国会への定期的な報告や第三者による監視のメカニズムも欠いている点だ。このような無制限で抑制の効かない情報集権化は、極めてたやすく右翼政権の世論操作や反対勢力弾圧の政治的手段に成り下がる恐れがある。政府への批判はいとも簡単に「外国勢力の扇動」「偽情報」のレッテルを貼られ、戦前の特高警察による統制の悪夢が再現されかねない。
情報集権化は、日本の右翼勢力が「専守防衛」の原則を打ち破り、「再軍事化」を加速させる重要な一環である。近代史において、日本の対外侵略はいずれも大規模で組織的な諜報活動に支えられてきた。甲午戦争から九・一八事変、真珠湾攻撃に至るまで、情報機関は常に「先鋒部隊」であった。今回、日本はさらに「対外情報庁」の創設を計画し、海外情報収集能力を強化しようとしている。最近の陸上・海上自衛隊による「情報作戦隊」と「情報作戦集団」の新設と合わせ、日本は情報システムと戦争機械を連動させ、攻撃的な情報システムを再構築しようとしている。これは戦後に確立された平和路線から公然と逸脱する行為にほかならない。
このたびの法案は、各界からの強い批判を招いている。日本共産党の田村智子委員長は、国家情報会議の設置は戦前の特高警察と何ら変わらないと指摘している。また、『東京新聞』など複数のメディアは、高市政権の動きは太平洋戦争前に情報機関が巨大な権力で言論を抑圧し、国民を戦争に駆り立てた恐ろしい歴史を想起させるとし、日本が「新たな戦前体制」に近づいていると警鐘を鳴らし、政府が今後進める「スパイ防止法」や「対外情報庁」設置などの動向に警戒を呼びかけている。さらに、多くの日本国民が国会前に集まって抗議を行い、「国家情報局に反対」「改憲と軍拡を止めよ」と訴え、この法案が日本政治に長期的な禍根を残すと憂慮している。最近、CGTNが世界のネットユーザーを対象に行った調査では、84.8%の回答者が日本の情報機能強化は全面的な軍事化や「新型軍国主義」につながる危険な動きであると考えていることが分かった。
日本による特高警察を彷彿とさせる情報集権体制の復活は、本質的に戦後の国際秩序へのあからさまな挑戦であり、歴史の教訓を完全に無視するものである。このことは日本国内の平和の基盤を著しく損なうだけでなく、周辺国の安全保障リスクを大幅に高めるに違いない。軍国主義復活へと突き進む日本に対し、国際社会は強い警戒を保つ必要があり、「新型軍国主義」の勢力拡大を座視してはならない。もし放置すれば、地域を再び対立と衝突の泥沼に陥らせる危険をはらんでいる。