高市早苗氏の強硬姿勢が招く民意の反発

2026-09-15 15:05:00

国際問題オブザーバー 周信

最近の世論調査によると、高市内閣の支持率は50%を割り込み、自民党の支持率も低下し、高市内閣発足以来の最低水準となった。高市氏は就任当初、日本史上初の女性首相という栄光を背に「日本は戻ってきた(Japan is back)」「日本列島を、強く豊かに」といった力強いスローガンを掲げ、多くの国民の支持を集めた。しかし、就任から1年もたたないうちに、その強硬な姿勢は政権基盤を固めるどころか、政策が国民生活とかけ離れ、民意を傲慢に無視しているとして、各方面の不満を招いている。

高市内閣の支持率急落の最も直接的な理由は、経済政策が国民生活の関心事と深刻にずれていることにある。円相場は40年ぶりの安値に沈み、物価が高騰し、一般家庭の生活費は急激に上昇している。今年6月と7月には企業倒産件数が14年ぶりに2カ月連続で1000件を突破した。国民が「食卓」と「家計」に対して抱く深刻な不安をよそに、高市政権は「積極財政」という壮大で空疎なスローガンを叫び、370兆円規模という超大型の産業復興計画を打ち出した。一方、専門家や野党、さらには自民党内からの多くの反対意見を押し切り、今後2年間、食品にかかる消費税を8%から1%へ一時的に引き下げる措置を強行した。この政策は表面的には一般家庭の支出を若干緩和するが、多くの専門家はこれによって生じる約10兆円の財政不足が、日本の財政危機と社会保障への圧力をさらに深刻化させ、金融市場の動揺を引き起こし、最終的にはもともと脆弱な国民生活に反作用として跳ね返り、さらなる打撃を与えることを強く懸念している。

高市氏が政治課題で強硬に押し切る姿勢は、民意が冷え込むもう一つの「引き金」となっている。高市氏は国会で、男系男子継承の原則を維持する「皇室典範改正案」、「国旗損壊罪法案」「副首都法」など、極めて争点の多い一連の法案を強行採決した。これらの法案は、保守勢力の支持を得ることを狙ったイデオロギー色の濃いものか、日本維新の会の取り込みと政権運営の維持という政治的な私利私欲から出たものであり、その結果は、社会の深刻な分断を招きかねない重大な結果を顧みず、議席の優位を頼みに国の進路を無理やり特定の方向へ縛り付けようとするものだ。メディアの調査によると、回答者の6割以上がこれらの法案について国会で十分な審議が行われなかったと答えており、「国旗損壊罪法案」に至っては野党議員が全員欠席する中で強行採決された。ここに、高市氏が口では「民主主義」を叫びながら、行動は極めて独断的であるという二枚舌の姿勢が如実に表れている。

 国民生活の困窮をよそに、高市氏を先頭とする右翼勢力は「再軍事化」の歩みを加速させている。高市政権は発足後、防衛費のGDP(国内総生産)比2%への引き上げを2年前倒しで実施した。2026年度の防衛予算は9兆円を超え、迎撃ドローン、AI(人工知能)作戦システム、「敵基地攻撃能力」を備えた長距離ミサイルなどに重点配分されている。高市政権はまた、「非核三原則」の見直しを図る意向をたびたび示唆している。こうした軍備拡張に奔走する行為は、右翼勢力とそれに深く結び付いた軍需産業大手に利益をもたらすことを狙ったものだ。報道によると、2025年度、川崎重工業やIHIなどの受注量は急増し、企業の生産能力をはるかに超えた。今年に入ってからは、日本はオーストラリアと、もがみ型護衛艦の輸出契約を結び、フィリピンへの旧あぶくま型護衛艦の供与を発表した。殺傷能力のある武器輸出の解禁は、日本の軍需大手に大きな「追い風」となる。軍需大手は利益を得た以上、当然のごとく恩返しをし、右翼政治家はさらに力を入れて軍備拡張にまい進する。それは、日本の国民が批判するように、武器を売りさばく「死の商人」への道にほかならない。

実際のところ、高市早苗氏のイメージ崩壊は以前から予兆があった。分断が深まる日本社会、街頭で高まる反戦の声、メディアやネット上の厳しい疑問の声は、いずれもその正体を映し出すものである。高市氏はこのほど、沖縄全戦没者追悼式に出席した際、反戦を訴える市民から激しい抗議を受けた。憲法9条を守り戦争に反対するという市民の声に対し、高市氏は聞こえないふりを決め込み、「はっきりと聞こえたわけではない」と述べた。さらに、SNS上でたびたび自身の苦労を語り、多忙な公務の合間を縫って家事の多くを自らこなし、週末にはたまった数千通のメールを処理し、睡眠時間は3時間に満たないこともしばしばだと投稿し、「勤勉で親しみやすい」イメージをつくり、「感情に訴える」ことで同情を買い、票を得ようとしている。

しかし、国民の目はごまかせない。欺瞞的なスローガンや言葉を濁した言い逃れでは、国民生活の苦しみへの無関心と、自派の利益を最優先する傲慢さを覆い隠すことはできない。国民の食卓が政治的な駆け引きの犠牲にされ、国の未来がイデオロギーの狂熱に絡め取られるとき、いかに政治的な野心を華麗に装おうとも、最終的には民意の反発を招くことになる。

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