中国初の温室効果ガス観測網がほぼ完成

2022-07-19 10:38:57

  中国気象局はこのほど、初の国家温室効果ガス観測網リストを発表した。これは、40年近くの建設を経て、中国初の温室効果ガス観測網がほぼ完成したことを示している。そして今後、中国の気候変動モニタリング評価能力が向上すると期待されており、二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウト、カーボンニュートラルをめぐる目標達成に向けたデータによるサポートが提供されることになる。人民日報が伝えた。

  今回発表された温室効果ガス観測網リストには、中国全土の主な気候の鍵となるエリアをカバーし、高精度観測をメインとした観測ポイント60地点が含まれている。観測項目は、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書が定める温室効果ガスであるCO2、メタン (CH4)、亜酸化窒素 (N2O)、ハイドロフ ルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) 、三フッ化窒素(NF3)の7種類をカバーしている。

  中国は世界でも比較的早い時期から温室効果ガスバックグラウンド観測を開始した国の一つだ。1982年、中国初の地域大気バックグラウンドモニタリングポイントが北京上甸子で運営を開始した。その後、1994年、ユーラシア大陸の内陸部で唯一の大気バックグラウンドポイントとなる青海省瓦里関大気バックグラウンドポイントが標高3816メートルのチベット高原に建設された。世界気象機関(WMO)の全球大気監視計画に含まれる全球大気バックグラウンドポイント31地点の一つで、「WLG236N10」という正式ナンバーも付与されている。そのモニタリングデータは、国際的に高い評価を得ており、中国の温室効果ガス観測は、世界の先頭集団に入っている。今年に入り、中国気象局は、国家級温室効果ガス・カーボンニュートラルモニタリング評価センターを設立したほか、複数の省にサブセンターも設置し、カーボンニュートラル計画の有効性評価システムが構築されており、世界や地域、都市といったスケールごとに正確に区分して、自然の二酸化炭素交換量や人為的な二酸化炭素交換量を観測することができるようになった。

  中国気象局総合観測司の曹暁鍾司長は、「40年近くの模索と蓄積を経て、中国は大気成分の観測、キャリブレーション、製品、応用、サービスなどからなる整った業務体系を構築し、最終的に、今の温室効果ガス観測網がほぼ完成した」と説明する。

  中国工程院の院士で、中国気象科学研究院の研究員・張小曳氏は、「これは、非常に影響力の高い観測網となるだろう。 今年に入り、中国気象局は国家級温室効果ガス・カーボンニュートラルモニタリング評価センターを設立したほか、複数の省にサブセンターも設置し、カーボンニュートラル計画の有効性評価システムが構築されており、世界や地域、都市といったスケールごとに正確に区分して、自然の二酸化炭素交換量や人為的な二酸化炭素交換量を観測することができるようになっている。そして、CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルをめぐる目標達成に向けて貢献している」との見方を示した。 (編集KN)

「人民網日本語版」2021年12月31日

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