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上海市、『単独二孩』実施で毎年2万人から3万人増
中国、11省が「単独二孩」政策実施 出産間隔の規定設置も
変わる中国人の出産観 80後90後の半数が「2人目はいらない」
高齢化圧力で政策を転換

 1970年代初期、中国政府は計画生育に積極的に取り組んだ。80年代になると、計画生育政策のために、「一人っ子政策」を中国の基本国策とした。30年余りにわたり、「一人っ子が良い」という言葉は、そこここで目にするスローガンだけではなく、絶対に守らなければならない政策だった。政策実施期間内に2人目の出産を許されていたのはごくわずかな範囲だけだった。そのため、計画生育政策は多くの人に実質的な「一人っ子」政策だと理解されていた。

 計画生育政策の実施に伴い、「未豊先老(収入が上がらず豊かにならないのに反し高齢化による問題は深刻化している)」、労働力の不足、一人っ子家庭の老後の扶養などの問題が日増しに深刻化し、2人目出産への政策緩和を求める声が高まっていった。そこで、2013年11月、「単独2子」政策が段階的に開始された。

子どもは2人いた方が幸福
世界人口に占める比率低下
「421」家族の解決急げ
 
条件に合っても悩み多い

 「単独2子」政策の緩和に伴い、多くの「単独」家族の子育てに対する選択肢が広がった。ある家庭では、すぐに2人目出産の準備を始めたが、その一方で、都市での生活と仕事のプレッシャーとの狭間で、今なお迷っている家庭もある。また、一人っ子を育てあげられれば十分だとする家庭があることも確かだ。これら若い親たちの生活状況と彼らの考え方を理解するために、三つのごく普通な「単独」家庭を取材した。

タイミングが悪かった… 祖父母が幼稚園に送り迎え
2人目にも新品をそろえて 親子共に自分の空間が必要
2人目の孫が待たれている 専業主婦にはなりたくない
 
「第二子」でも人口増えず

 「単独」夫婦が2人目を出産しても良いとする政策が始まった頃、山西省にある小さな県城――翼城県では、「第2子計画出産」が既に29年にもわたって試されている。この制度は果たして人口増加に結び付くのだろうか。翼城県での検証結果は、人口増加につながらない結果が出ている。

 「晩婚」(男性25歳、女性23歳過ぎてからの婚姻)、そして「晩産」(24歳以降の出産)、また、1人目出産から間隔を空けて2人目を出産することを奨励する「晩婚、晩産、インターバル」の方法を採り、「第2子計画出産」テストが行われた。このテストが行われた翼城県の人口増加率は29年経ったにもかかわらず、驚いたことに、全国平均を下回っている。各項目の人口調査指標でも全国平均水準を上回っている。

山西省南部で29年間実施
人口増加率は全国平均以下
 
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翟振武・中国人口学会副会長に聞く
人口構造の調整が必要に
 中国人口学会副会長・中国人民大学社会モデルチェンジ・社会管理協力革新センターの翟振武教授は中国の計画生育政策の制定に参与し、同政策が中国にもたらした変化を経験、目撃した人物として、中国の人口と計画生育政策について自らの見解を示している。
 
 翟教授に、中国の計画生育政策と「単独2子」政策についてうかがった…
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