麦飯(野菜の粉蒸し)
麦飯は中国北方農村の春の味。昔、穀物の収量が少なかった頃、残り少ない穀物をひいて春野菜と混ぜて蒸したのが始まりと言われています。野菜はもちろん木の芽や花まで、地方によって食材はさまざま。ニセアカシアの麦飯はアカシアの街・大連の春に欠かせません。
材料(2人分)
中国セロリ(普通のセロリでも)
の葉150g
シュンギク150g
ニンジン1本
小麦粉適量(約大さじ2)
ニンニク2~3片
塩、ごま油適量
つくり方
①セロリの葉とシュンギクはよく洗い、水気をしっかり拭いてから2~3㌢の長さに切る。小麦粉が付きすぎないよう、水気はしっかり取る。
②ニンジンは洗って皮をむいたら千切りにする。
③切った野菜をそれぞれボウルなどに入れて小麦粉を数回に分けて全体にまんべんなくまぶす。小麦粉の代わりに全粒粉やトウモロコシ粉などの雑穀粉でも良い。
④セイロにのせて蒸す。火が通りやすい葉物類は5~6分、火が通りにくいニンジンは10分程度と、野菜の硬さによって蒸し時間を調整する。
⑤つぶすかすりおろしたニンニクに塩とごま油を加えて混ぜ、水で薄めたつけダレをつけながら、熱いうちにいただく。葉物は蒸し上がったらすぐに取り出して、変色を防ぐ。
中国国内でも粉食文化エリア、特に農村でよく食べられる料理です。陝西省出身の私は麦飯と呼びますが、河南省南陽市出身の母は蒸菜と呼んでいます。南陽は全国でも有名なごま油の産地なので、ごま油を使った料理がたくさんあるのですが、この料理にもごま油の香り高いつけダレを添えます。ごま油の香りを最大限に生かすため、味付けはニンニクと塩だけ。醤油を入れると味がぼやけます。ちなみに陝西省では「油潑辣子」と呼ぶラー油をつけダレに加えます。