『従漢城到燕京』

2020-10-21 15:16:36

 

呉政緯 著

1592年の豊臣秀吉の「朝鮮出兵」によって、朝鮮国王は夜中に逃亡し、使者を派遣し中国に助けを求めた。使者の中には、明王朝の役人を説得し中国の援軍を促した者もいれば、戦争で捕虜となり日本をさまよった者、筆談のみで明の役人と厚い友情を結んだ者もいた。彼らから見て、当時の中国は長期的に衰退していた国ではなく、日本の侵略から自国を救う強い国家だった。しかし、明清交替によって中朝間を行き来していた朝鮮の使者の世界観も激しく変化した。明滅亡後、使者たちは当初、明の歴史書の作成に力を尽くし、ひいては明に義理立てをして出仕の道を断念したが、最終的に明王朝を忘れて、自国に目を向けるようになった。同書は壬辰戦争から清代中期における朝鮮の使者たちの物語を描き、明・清時代の中朝関係の変化と特徴を探っている。

  
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