『多極亜洲中的唐朝』

2020-12-07 14:35:43

 

王貞平(カナダ) 著 賈永会

唐代の史料においては、一極化された朝貢-冊封体制しか見ることができず、アジアの多極化という事実はあいまいになっている。朝貢-冊封体制において、唐王朝は主に儀礼面での利益を得て、名義上の君臣関係を打ち立てたが、周辺諸国は実用主義的な態度を取り、これにより中国から多くの政治的、経済的、そして文化的な利益を得た。まさにこうした唐と外国の君主の異なるニーズのため、朝貢-冊封体制は衰えることなく長い間維持されたのである。同書は唐と突厥、回鶻、朝鮮、日本などの周辺政権との複雑で変化に富んだ外交関係を詳しく述べ、唐の対外関係における中央と地方の二重管理システムなどに対し、独特で鋭い分析を行っている。

(上海文化出版社 2020年6月 84元) 
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