五牛図

2021-05-26 11:26:26


中国郵政は辛丑の年の春分に当たる3月20日、故宮博物院が所蔵する国宝「五牛図」にちなんだ切手5枚1セットを発売した。

「五牛図」は中国十大名画の一つであり、現存する最古の紙面中国絵画だ。この絵には落款がなく、唐代の画家の韓滉(723~787年)による唯一現存する作品だと言われる。韓滉は、字は太冲、長安(現在の陝西省西安市)の出身。唐の徳宗の時代(779~805年)に宰相や両浙節度使などを歴任、晋国公に封じられた。人物や動物を描くのが得意で、特に牛の絵が絶品だった。

「五牛図」には、表情、性格、年齢が異なる5頭の牛が描かれ、右から左に並んでいる。1頭目は茶色の老牛で、雑木に体をこすりつけながら悠々と何かを食んでいる。2頭目は白地に黒模様の丈夫な牛で、頭を上げて、尻尾を振っている。3頭目は暗い茶褐色の老牛で、筋と骨が目立つ痩せた体をして、正面を向いて鳴いている。4頭目は黄色の牛で、体が大きく、角が上に伸び、後ろを振り返っている。5頭目は大きく太った牛で、くつわをかまされ、何かを考えているようだ。この絵は右の1頭目の牛のそばにある雑木を除いて他に背景がないので、それぞれ独立した牛の絵にも見える。

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