ファーウェイと日本 再構築が必要な経済技術協力

2023-11-30 18:27:00

陳言=文

1987年創業の中国の民間企業「華為技術有限公司」(ファーウェイ)は近年、政治や外交、経済、技術などの問題の焦点となっている。 

今年8月、米国のビジネス誌『フォーチュン』が発表した世界トップ500社のうち、中国が142社(日本41社)を占め、ファーウェイは自身の責務を果たして、世界トップ500社の一つだった(昨年96位、今年111位と順位は下がったが)。米国政府は全力でファーウェイを抑え付け、日本政府も2020年から経済安保を強調し始め、ファーウェイに対する輸出規制を強めた。米国、日本という二つの大国から同時に規制されたファーウェイの困難は推して知るべしだが、世界トップ500社であることを維持するのはもっと難しいことだ。 

ところが今年8月から、ファーウェイは新スマートフォンMate Pro 60など一連の製品を立て続けに発表した。Mateシリーズの販売台数はすでに1億台を超えており、いま新製品を発表するのは本来いたって普通のことだ。しかし、Pro 60に使われている7ナノチップは、ファーウェイのイノベーション能力について、米国と日本が設けた14ナノ半導体や関連する製造装置の輸出規制を回避することなどの面において、人々に新たな認識を持たせることとなった。 

かつて年間1億円の部品を提供 

筆者はファーウェイの研究所を何度も取材し、広報責任者と多く接触してきた。しかし、ファーウェイの6000億元余り(約12兆円)の販売額のうち、日本から輸入した部品が占める割合について質問しても、いつもはっきりとした数字を答えてはもらえなかった。 

日本の関連報道を調べると、21年3月30日付の『朝日新聞』に「日本企業がファーウェイへ輸出した部品の総額は1兆円で、日本の対中輸出総額の1カ月分に相当する」と書かれているのを見つけた。この数字から推算すれば、ファーウェイの製品のうち、約10分の1の部品が日本企業から来ているということになる。 

「当社がファーウェイに販売した部品の総額は100億円前後です。ファーウェイとの取り引きがなくなってから、その穴を埋めることはほとんどできていません」と、ある日本の電機メーカーの営業マネージャーは筆者に語った。これはファーウェイに対する日本企業のジレンマの一側面であり、ファーウェイ側から見れば、日本企業の協力がなくなると、ファーウェイもさらに難しい状況になるということだ。日本以外の他国の企業の供給を探すとなれば、時間的に難しいだけでなく、部品の品質や新部品の開発など、先端技術を持つ日本企業のようにスムーズに使用できるかどうか、ファーウェイはさらに確信が持てないだろう。 

ファーウェイなどの科学技術企業との往来の断絶が中日経済貿易関係に与えた影響も大きい。20年の中日貿易総額は2兆1900億元、21年は2兆4000億元だったが、22年は2兆3800億元に微減し、今年1~6月、中日貿易は2桁以上減少した。ハイテク分野における日本の対中輸出規制が減少の原因の一つであるはずだ。 

研究開発によって規制を回避 

今年8月と9月にファーウェイが発表した製品から見て、グローバル産業チェーンで世界各国の製品を自由に買い付け、世界各国の消費者に安価で良質なハイテク製品を提供してきた生産方式に変化が起き始めたようだ。ファーウェイは買い付けようとしてもできず、自社で生産しようとしても、数々の困難に直面した。だが、生き延びるには自力更生しなければならず、現在、この自力更生の結果が現れてきている。 

Bluetooth」技術はそれほど先端的とはいえないが、Bluetooth SIGは19年にファーウェイを除名し、ファーウェイは最新のBluetooth技術を使えなくなった。やむを得ず、ファーウェイは自社の星閃技術(NearLink)を開発し始めた。中国の報道によると、星閃技術はBluetooth技術の60%の消費電力で、従来のBluetooth技術の6倍の速度に達するという。 

目下、スマートフォンのシステムはアンドロイドとアップルが絶大な市場を占有している。近年、米国や日本などによる厳しい規制に伴って、ファーウェイはそれらとは別に独自のシステムを開発しなければならなくなった。鴻蒙(Harmony)の登場は中国企業が開発した第三極を打ち立てた。 

中国の技術スタッフによれば、ファーウェイの鴻蒙システムは斬新なオールシーン向け分散オペレーティングシステムで、スーパー仮想デバイスの相互接続の世界を創造し、人、設備、シーンを有機的につなげ、消費者が生活のオールシーンで触れるさまざまなスマートデバイスについて、高速発見、高速接続、ハードウエア相互サポート、リソース共有を実現し、適切な設備を用いてシーン体験を提供するという。 

中国には極めて広い市場と世界最大の生産能力があり、中国企業がIT技術開発を積極的に向上させてきたことを考えると、鴻蒙の使用シーンは今後ますます大きく、ますます広くなることが予想される。 

米日政府によるファーウェイに対する最も厳しい規制は、14ナノ以下の先端チップの使用を禁止したことだ。現在、ファーウェイのスマートフォンには明らかに7ナノのチップが搭載されている。では、どのメーカーがファーウェイのために製造したのか?今後5ナノや3ナノに進出していくのか?現在のシリコンウエハーを基礎とするチップ製造の代替となるものはあるのか?――これらの問題は近頃、人々が注目する焦点になっている。 

ファーウェイは多くの一般の企業とは違って、創業後一貫して技術上の自社研究開発に注力し、国際環境に順応して汎用技術を使えるときには、世界の潮流に従って、自社の製品を研究開発し、生産してきた。米国や日本などから発展を制限されたときには、自社の技術によって新たな道を切り開き、自身の発展を維持することができる。この8、9月にはスマートフォン分野の主力製品を打ち出しただけであり、今後、自動車分野などで躍進していくことは想像に難くない。 

中日企業の新たな協力 

ファーウェイは7ナノチップを使い、自社の星閃、鴻蒙システムを持つようになったが、ファーウェイに対する米日政府の規制は緩むことなく、半導体分野で経済安保政策によって管理・コントロールを強める政策に変動はなく、今後、電池や先端素材、医療設備に拡大していくすう勢がより強くなっている。 

一方、中国企業の自社開発により、今後世界に普及していく技術について、日本企業はどのような態度で対応するのか?経営上、完全に相手にせず、協力しない方法を取るのか?また、中国以外に、より大きく、より利益が多く、もっと開拓できる市場を見つけられるのか?日本企業は中国および中国企業との関係を再構築する必要があるだろう。 

ファーウェイの新製品発表はこれらの面で鋭い問題を提起したのである。 

北京のファーウェイ専門店の前で購入したばかりのファーウェイ製品を手にしている青年(vcg)

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