report 箏が伝えつなぐ心の交流

2023-11-29 18:18:00

箏は中国で長い歴史を誇る弦楽器の一つで、戦国時代(紀元前475~同221年)に秦ではやり始めた。現在まで2000年余りの歴史があり、昔から「仁智の器」「群声の主」「衆楽の師」といった美しい呼び名もある。また、唐の詩人・白居易(772~846年)には、「車をらせて牡丹を看る、馬を走らせて秦箏を聴く」という詩句がある。 

一方、和名で「こと」とも呼ばれる箏が日本に伝わったのは唐代(618~907年)、日本の奈良時代とされる。8世紀に建てられた奈良の正倉院には、世界で唯一の唐箏の残存部分が宝物として保存されている。その残存部分から唐箏の形や構造や弦の数が分かり、唐箏を復元する際の参考とした。またこれは、中日両国の箏による交流の実物としてのよりどころであり、長きにわたる両国の音楽文化交流の証しでもある。 

中国と日本の箏楽は、同じルーツから始まっているが、長い歴史の流れの中でそれぞれがその土地に合った箏楽文化を生み出し、異なる軌跡を描きながら発展してきた。 

 

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