中国で「グリーンカラー」を選択する若者が急増中のワケは?

2025-07-24 17:04:00

中国では最近、「就職市場で『グリーンカラー』が大人気に」や「『カーボンニュートラル』関連の人材が100万人不足」といった話題が注目を集めている。

「中華人民共和国職業分類大典(2022年版)」には、環境配慮型の「グリーン職業」が134種類列挙されており、職業総数の約8%を占め、その分野は省エネ・環境保護、クリーンエネルギー、グリーンなインフラへの高度化といった分野に及んでいる。

2024年7月に、中国人的資源・社会保障部(省)が発表した19の新職業のうち、3種類が「グリーン職業」で、そのうちの一つは蓄電所の運営メンテナンス管理者だった。また、同部が今年発表した新職業と新職種にも、風力発電所のブレード整備士や水素燃料電池検査技術者といった新しい「グリーン職業」と「グリーン職種」が含まれていた。

「グリーン」や「低炭素」といった特徴が鮮明な職業は現在、「ホワイトカラー」ならぬ「グリーンカラー」と呼ばれるようになっている。企業の間では、複合型の「グリーンカラー」人材が引っ張りだことなっている。

世界最大級のビジネス特化型SNS「LinkedIn」が発表した「2024年世界グリーンスキル報告」によると、グリーンな職種のオファー率は一般的な職種を54.6%上回り、供給が需要に追いつかない状態が深刻化しつつある。

取材では、「グリーンカラー」の収入は、地域や経験、業界によって異なり、新卒の年俸は通常10-25万元(1元は約20.4円)で、経験を積んでいる人材ほど多くなっていくことが分かった。

統計によると、「ゼロカーボン・カーボンニュートラル」分野の関連従事者は10万人前後にとどまっており、依然として人材不足が深刻な状況だ。世界最大の会計事務所「デロイト・トウシュ トーマツ」(中国)は、中国が、積極的なグリーントランスフォーメーションを通して、2050年までに3800万人以上の雇用を創出し、これらの雇用は主に従来の経済優位性が原動力と急速に成長する低炭素業界から創出されると予想している。

上海交通大学環境科学・工学学院の学生事務弁公室の于愛涛主任は、「『グリーンカラー』の職業を選択する若者が増えている。その要因は二つある。一つは、専門的な知識を学んだ後、環境保護や持続可能な発展に強い興味を示すようになる人が増えている点。二つ目は、政策による後押しを受けて、職業に将来性がある点だ。現時点では、初任給こそそれほど高くないものの、経験を積めば、キャリアアップのポテンシャルが非常に大きい業界だ」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年7月24日

 

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