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特産スイカをネットでPR 大卒の村幹部助手

 

王焱=文

2008年、より良い「新農村」の建設を推進し、また、大学卒業生の末端での就業を推奨するため、中国の多くの省・直轄市・自治区が「大学生村官(大学卒業生が、数年間農村で共産党支部書記や村民委員会主任の助手として働くもの)」プロジェクトをスタートさせた。それから約20万人の大学卒業生が農村に向かった。北京大興区龐各荘王家場村の党支部書記を務める胡建党(27)さんもその一人だ。

「特色ある、売れる農産物」を目標に開発した王家場村産のスイカは、小ぶりだが甘く、贈り物に最適と評判だ (写真提供・胡建党)

農村に根を下ろす決断

「もともとは海外留学し、国連で働くのが夢でしたが、卒業直前に『大学生村官』プロジェクトのことを聞いて、まず農村に行って自分を鍛える方がいいのではないかと考えたのです」

試験や面接を経て、胡さんは王家場村党支部書記の助手に採用された。その時点では「北京は非常に発達した都市なので、その農村部も悪くはないだろう」と考えていた胡さんだったが、着任した王家場村は、60戸ほどの農民が暮らす辺ぴで貧しい村だった。最初の2カ月間、胡さんはこまごまとした事務処理を担当していた。村民たちの態度は丁重だったが、胡さんはなんとなく自分がよそ者扱いされているように感じた。村民たちは、彼が契約期間終了後には都市に戻っていく人間だと思っていたのだ。

胡さんにとってここでの暮らしは時に味気なく寂しく、都市の生活を思い出したこともあったが、最終的に彼は「『村官』を生涯の仕事とする」という決断を下した。

そう決めた彼は、まず村民たちの信頼を得るために、一戸一戸を訪問してリサーチし、農民たちの差し迫った欲求が「豊かになる」ことなのを知った。

頭脳と行動力で問題解決

王家場村の農家の主な収入源はスイカの栽培だった。しかし、数日間農民と一緒に野良に出て畑仕事を体験した胡さんは、すぐに問題に気づいた。「農民たちはめいめいに栽培しているだけで、正しい病害虫防除技術などを持たず、村ならではの特色もなかったのです」

そこで胡さんは、折からの北京オリンピックに目をつけ、遮光によってオリンピック関連の図案を皮の表面に描いたスイカを栽培してマスコミの注目を集め、同村のスイカの売り上げを伸ばすことに成功した。今年、彼はミニブログを通じて王家場村のスイカがいかにナチュラルでヘルシーかをPRし、早期完売につなげた。

さらに、胡さんはキノコ栽培の収入がスイカの4、5倍になることに着目したが、保守的な農民たちは新たな作物の栽培を渋った。「これまで農民が豊かになれなかったのは、率先するリーダーがいなかったためです。そこで、私自身が実践して見せようと考えたのです」と、胡さんは自らキノコ棚を造って栽培を始めた。翌年の春、植えたキノコは9万元の収入になった。これを見て少なからぬ農民が関心を示し、今ではキノコは同村の新たな特産品になっている。

村に尽くし自らを鍛える

2010年初頭、80%の支持率を獲得した胡さんは、王家場村の党支部書記に就任し、同村に関する一切の事務を担当するようになった。「村の党支部書記の仕事は非常に煩雑です。上級機関の指示を実行し、村民からの要望に対応し、さらに、村民間のもめごとも仲裁しなければなりません」

農家からぼろぼろに壊れた竹製のビニールハウスを修復するお金がないことを聞くと、胡さんは鎮政府に掛け合い、資金援助を得て鉄骨構造のハウス140棟を建設した。また、村の道が軟弱で、雨が降ると水がたまって通行に支障が出ていたため、村の幹部たちを率いて300メートルに及ぶ道路補修を行った。さらに、ある農民がにせものの種苗を売りつけられたことを知ると、証拠を集め、弁護士を手配し、損失を取り戻した。加えて、村民の文化生活を豊かにするため、ヤンコ踊りチームの結成に奔走したほか、都市への観光・映画鑑賞ツアーも組織した。

「村官」の月給は一般のサラリーマンより低いが、「自己鍛錬と価値実現という点から見れば、農村で農民のために働くのは、大学卒業生にとっての一つのいい選択だと言えるでしょう」、胡さんは充実の表情でそう話した。

「大学生村官」プロジェクト 農村の人材不足と大学生の就職問題を解決するため、1990年代末に江蘇省などで始まり全国に広がった。村の共産党支部書記や村民委員会主任の補助的役割を担う。

 

人民中国インターネット版 2012年1月10日

 

 

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