文化の三重奏を奏で、東アジア共同体を育む

2019-09-16 13:49:07

 

(左)地蔵菩薩金喬覚像(右)鑑真東渡像

古代の南伝仏教と漢伝仏教は、海上シルクロードと陸上シルクロードを通って、インドから中原に伝わり、朝鮮半島を経由して日本に伝わった。仏教文化が東アジアで伝わる過程で、多くの感動的な物語が生まれた。私はかつて九華山で、新羅から来た金喬覚王子の献身の精神に感動した。人類の苦難に直面して、地蔵菩薩の「地獄不空誓不成仏(地獄で責め苦に遭う者を全て済度しなければ、成仏しないことを誓う)」という大願は、今日の人類の自己救済に依然として有効である。また、私はかつて揚州の大明寺や奈良の唐招提寺で、日本に向かって6度出発し、ついに仏教を伝えた盲目の僧鑑真の使命感と粘り強さに感服させられた。さらに、奈良の明日香村の飛鳥寺では、明らかに百済人の特徴を持つ大仏を見て、古代朝鮮半島の職人の敬虔な信仰と素晴らしい工芸に感動した。このような仏教文化がわれわれにもたらした関係や、このような精神の背後に浸透している平和の思想は、文化交流によって理解し、大いに発揚する価値があり、われわれが今日の東北アジアの平和発展と繁栄を実現するのを助けてくれる。

奈良明日香村の飛鳥寺にある百済大仏 

仏教文化のほか、われわれ東アジアの地も独自の知恵を生み出している。2016年、二十四節気が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産に登録された。この中国の農耕文化から起こった、自然と調和共生するための知恵は、同じく北緯30度前後に生活する東アジアの国々で共有されている。近年『人民中国』は、日本の読者に人気がある俳句と中国化した漢俳の双方向の形式で、二十四節気の風物を詠む試みを行い、中日の読者から好評を得ている。私はこの試みを中日韓3カ国に拡大したいと強く希望している。なぜなら、二十四節気はわれわれ3カ国共通の文化遺産だからだ。いつか3カ国の人々が、端午や中秋のような東アジアの伝統的な祝祭日に、それぞれの民族衣装を着て、中国の漢詩、日本の俳句、韓国の郷歌でそれぞれの感情を表現し、共通の祝祭日をたたえるなら、どんなに心を揺さぶられるひとときとなるだろう。

 

 

 

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